刀鍛冶職人に興味があります。弟子入り期間や年収はどのくらいですか?
日本の伝統工芸品である「刀」は、現代で使われることはありませんが、できのよい刀はコレクションとしての価値があるといわれます。また刀作りを担う鍛冶職人は「刀匠」と呼ばれる立派な仕事です。 しかし、刃物全般を取り扱うには文化庁の許可を得なければなりません。そこで今回は、刀鍛冶職人という職種について詳しく解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
刀鍛冶の仕事は幅広い
刀鍛冶職人は国内で「刀匠」と呼ばれており、包丁やハサミなど刃物全般の製造を担う職人を指します。大昔は武士が携帯していた刀を作る職人でしたが、現代では刀ではなく、主に園芸用のハサミや農具、家庭用の包丁を作ることをなりわいとしています。 刀鍛冶職人を目指す人は、刀匠のキャリアやルートを確認したうえで、その道を進みましょう。そこで、刀鍛冶職人の概要について解説します。 ■刀を作るには許可が必要 刀を始めとした刃物類を製造するには、文化庁の許可が必要です。また、刀の場合は製造本数が24本までと定められており、大量生産できません。 そもそも刀匠の作る刃物は総じて製造に時間がかかります。そのため、刀匠の作る刀や刃物類は総じて高値で取引されます。 また、刀匠の仕事は高温の鉄や鋭い刃物を取り扱うため、危険が伴います。物作りが好きな人に向いている一方、センスの問われる世界であるため、職人の道を進むにはある程度の覚悟を持って臨む必要があります。 ■弟子入り期間はおよそ5年 刀匠として刀や刃物類を作るには、5年間の修行期間と文化庁の登録審査員2名以上による推薦が必要とされています。以上の条件をクリアした者が刃物の製造許可を得られるため、弟子入り期間は5年間以上は見積もっておかなければなりません。 また5年間の修行であっても、就職先の職人から技術を認められなければ、独立の許可をもらえない場合もあります。そのため、一概に5年たてば必ず刀匠として活躍できると保証されているわけではありません。 ■刀鍛冶の年収 刀鍛冶職人の年収に公的な情報はありませんが、有名な刀匠なら高年収ともいわれています。ただし、基本的に作った刀や刃物を売って生計を立てるため、決まった収入があるとはいえません。 また刀匠になりたての頃は知名度もなく、作った刀や刃物を売るには、地道な営業努力が欠かせません。有名な刀匠のもとなら福利厚生が充実している可能性はありますが、原則として刀匠の就業条件は場所によって大きく異なります。修業時代は無賃ともいわれている業界なため、立派な刀匠に上り詰めるまでは、収入面で苦労するかもしれません。