「今のまま鉄道を維持した場合、30年間で338億円の赤字が発生」 維持か別の選択肢か どうなる「平成筑豊鉄道」
RKB毎日放送
福岡県直方市と行橋市を結ぶ第三セクター「平成筑豊鉄道」がいま、存続の危機を迎えています。赤字が続く中、地域の交通インフラをどうやって維持していくのか、検討が進められています。 【写真で見る】存続の危機を迎える「平成筑豊鉄道」 ■赤字額は30年で338億円試算「平成筑豊鉄道」の今後のあり方は 平成筑豊鉄道は、JR九州が所有していた伊田線・糸田線・田川線の3つの路線を1989年に継承した第三セクター方式の鉄道です。 9月、沿線自治体の田川市議会では、平成筑豊鉄道の今後のあり方を検討する「法定協議会」の設置について議論が交わされました。 田川市議会建設経済委員会に出席した市の担当者「今のまま鉄道を維持した場合は、(赤字額は)338億円になります。30年間で338億円の赤字が発生している」 鉄道を維持した場合、毎年およそ10億円、30年間でおよそ338億円もの赤字が発生するとの試算が示されました。平成筑豊鉄道の河合賢一社長は、今後の経営について危機感を募らせています。 平成筑豊鉄道・河合賢一社長「今までの厳しい厳しいと言っているものと質的に異なった状況というものがもう始まっていますし、今後10年、20年、30年というところを考えたときにですね、老朽化であったり担い手不足というような厳しさを解消するのが今までと全く違う状況になると想定しております」 ■重くのしかかる設備更新・修繕費 赤字額を押し上げる要因となっているのが、鉄道の運行に欠かせない設備の更新や修繕にかかる費用です。 岩本大志記者「平成筑豊鉄道が走る嘉麻川橋りょうです。こちらはきれいに整備されていますが、もう片方は老朽化が進んでいます」 橋りょうは、塗装のはがれが目立ちます。さらに深刻なのが、線路を支える枕木です。 平成筑豊鉄道の担当者「くぎの部分。こういうのがきいていない。木とレールをとめるくぎなんですけど腐ってきいていないという状態が非常によろしくない」 現時点で安全運行に支障はないものの、将来的に交換が必要な枕木はおよそ3万本で全体の3割近くにのぼります。