鉄道とスレスレ交差で工事難航 JRバス代行は期間延長へ 山形の新“東西軸”トンネル掘削に苦心
陸羽西線のバス代行期間、2025年度にずれ込み
国土交通省東北地方整備局山形河川国道事務所は2024年11月7日、建設を進めている国道バイパスのトンネル工事が難航していることから、JR陸羽西線のバス代行輸送期間が2025年度までずれ込む見通しであることを発表しました。 【近い!】これが鉄道と交差する高屋トンネルです(地図と写真) 工事に時間を要しているのは、国道47号高屋道路の高屋トンネル(仮称、山形県戸沢村)です。 トンネルを含む高屋道路は、延長3.4kmの国道47号バイパス(自動車専用道路)で、将来は山形県の新庄市と酒田市を東西に結ぶ地域高規格道路「新庄酒田道路」の一部に組み込まれます。 ルート西端に位置する高屋トンネルは、延長329mと短い方ですが、JR陸羽西線の第2高屋トンネルの下スレスレで交差します。最も近い箇所はわずか約3mです。そのため、列車運行の安全対策に技術的な課題が多いことから、道路トンネルの工事が終わるまで鉄道は全列車が運休し、新庄~余目・酒田間でバス代行輸送が続いています。 山形河川国道事務所によると、建設を進めている道路トンネルは、半分の155mまで掘削しており、さらに鉄道トンネルに近接する区間の先進導坑111mの掘削が10月に完了したといいます。 しかし今後の掘削も、鉄道トンネルへの影響に配慮しながら進めているため想定より時間を要するといい、今後の工程を精査すると「2024年度中」としていたバス代行輸送期間は2025年度にずれ込む見通しということです。 同事務所は「JR陸羽西線利用者の皆さまには、大変ご不便をおかけしますが、バス代行輸送期間の終了時期については、今後のトンネル工事の進捗状況を踏まえ、改めてお知らせいたします」としています。
乗りものニュース編集部