匠の技とダイナミックな演出で、銘柄牛と季節の野菜や魚介類を堪能する鉄板焼〈風音(かざね)〉!
〈ストリングスホテル東京インターコンチネンタル〉の鉄板焼〈風音〉は、2019年11月のオープン時から料理長を務める瀧澤 経さんのもと、匠の技とダイナミックな演出で好評を博している。歌舞伎の下座音楽にもある“風音(かざおと)”をヒントにして、歌舞伎や雅楽の伝統的な舞台構成である“序破急”と捉えた3つのコースが提供されている。
“風琴(ふうきん)”(1万5400円)、“風詩(かぜうた)”(1万9800円)“風音(かざね)”(2万4200円)が用意されているが、瀧澤さんの料理を堪能したいのであれば、“風音”で決まりだ! なぜなら、季節の前菜、鮑か伊勢海老、瀧澤さんが厳選したフィレやサーロインを堪能できるから。 “本日の先付け”は牛肉を用いた2品。宮崎牛のリブロースの冷しゃぶは、実山椒の鮮やかなアクセント。白舞茸の天ぷらには、和牛のラルドを合わせ、レモン塩でいただくという先進的な逸品。和牛のラルドは、2カ月間塩漬けされている。油のうるおいと脂の旨味が組み合わされた俊味が堪能できるので、シャンパーニュでさっぱりとさせるのがいい。
“厳選黒毛和牛と茸のビーフシチュー”は、寒くなってきた時季にぴたりと合わせた。鉄板の上で和牛と茸のビーフシチューを作り、ブリオッシュの器に盛られる。タモギ茸、アワビ茸、白舞茸、柳松茸、“霜降りひらたけ”と、たくさんの茸が用いられており、旨味が抜群。仕上げに、北海道の更別村のゴーダチーズが削られる。隠し味に再仕込み醤油、赤味噌が加えられており、和牛に負けない上味に仕上がっている。
“活け鮑”は、宮城県の蝦夷鮑を白ワインのソーヴィニヨン・ブランのソースで上品に紡ぎ、“活け伊勢海老半身”は、千葉県南房総市の伊勢海老をコクのある肝醤油と合わせた。どちらとも厚みのある三陸の生ワカメが添えられており、レモンと花穂紫蘇によって、味わいと色合いの変化がもたらされている。
フィレもサーロインも、瀧澤さんが当日最もよい黒毛和牛を目利きしてくれるので安心だ。取材時の特選牛は、北海道の黒毛和牛のサーロインと徳島県の黒毛和牛のフィレ。B.M.S.=脂肪交雑基準は7から9くらいで、脂がのっている。しっかりめに焼きつつも、中はロゼ色に焼き上げられており、完璧な火入れ。フィレは繊細でやわらかく、サーロインはジューシーで豊かな和牛香が広がる。 コンディメントは、ヒマラヤ岩塩、対馬の藻塩、ホースラディッシュも入った静岡県の山葵、ポン酢。まずはそのまま肉を食べてみて、それから好みのコンディメントを合わせて食べ比べるのが楽しい。