弱点の補強に成功の中日、独自路線の日本ハム…今年のドラフト会議で際立った各球団の戦略
日本ハムについて氏原さんは「ダルビッシュ有（現パドレス）や大谷翔平（現ドジャース）といった長身の高卒選手を育成するノウハウがある。チームは若手の野手が成長しており、慌てて（野手を）獲得する必要がないという印象を受けた」と指摘する。
一方、競合の末に宗山との交渉権を獲得した楽天だが、2位以下の支配下選手の指名では高校生は指名せず、大学生や社会人野球、独立リーグ出身の選手を相次いで指名した。「（2位以下も）ほぼほぼ即戦力タイプ。（ドラフトも）1年で結果を出さねばならず、今江前監督が退任したこととも繋がっているような印象にも見える」（氏原さん）という。
今季は打線の低迷が際立ち、パ・リーグで最下位に終わった西武は、育成選手を含め10人の野手を指名。また、セ・リーグで2位だった阪神は、支配下選手で独立リーグ出身の選手を相次いで指名した。
「ドラフトで意味が問われるのは、来年ではなく、3、4年後」とは氏原さん。今年のドラフト会議で指名された選手の中から数年後、チームの中核を担う選手が生まれるためには、各球団の「育成能力」と「戦略」が問われることになりそうだ。（浅野英介）
