自転車声優・野島裕史、思い出の自転車パーツを語る「オカルト的なものを感じてしまうほど今でも惚れ込んでいるパーツのひとつ」
◆オカルト的な魅力を持つシートポスト
さらに、これはただ美しいと思うだけではなく、個人的にとても思い出深いパーツでもあります。というのも、僕が初めて組んだロードバイクは小野くんと同じCinelli Supercorsa。16~17年くらい前ですが、当時は(自転車の)知識が全くなく、このフレームに合うパーツとして、ガチのビンテージパーツではなく、ビンテージ調のパーツをショップの店員さんにお任せで組んでもらいました。 とてもかっこよかったので気に入って乗っていたのですが、僕も徐々にパーツに興味を持ち始め、“ビンテージパーツ”というものがあることを知り、取り扱いのあるショップに行ったときに、真っ先に目を奪われたのがこのシートポストだったんです。 「これはSupercorsaに合う!」と思って即購入。そして、家に帰って付け替えてみたのですが、それがめちゃめちゃマッチして、より一層自分の自転車に愛着が湧いた思い出があります。 当時は年代や歴史とかも全く知らなかったのですが、衝動買いをしてSupercorsaに取り付けたときの満足感は今でも覚えています。結果的に知識を得た今となっては年代が合うパーツだったと思うわけですが、当時、知識がないのに感覚や感性だけでSupercorsaに合うと思わせてしまう、それは僕の感性というよりも、このシートポストの持つオーラ・パワーなんじゃないかなと思います。 そんなオカルト的なものを感じてしまうほど、今でも惚れ込んでいるパーツのひとつです。初めて出会ってから16~17年経つのに、いまだに眺めて飲める自転車パーツでございました。 (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2024年3月3日(日)放送より)