「レギュラーは欲しいけど、パフォーマンスは落としたくない」遅咲きのダイアン、等身大の野望
「大阪ではテレビ、ラジオ、劇場、営業ぐらいしかなかったんですけど、東京ではいろいろな仕事があります。東京に行った先輩からそのように聞いてはいたんですけど、本当にそれを実感しました」(ユースケ) 特に反響が大きかったと2人が口をそろえるのが、アニメ『オッドタクシー』で声優を務めたことだ。2021年4~6月にテレビ東京などで放送され、Amazonプライム・ビデオでも配信中の話題作だ。彼らが演じたのは「ホモサピエンス」という漫才コンビ。ラジオ番組の会話のシーンでは、普段の彼らのようなリアルなトークが展開された。 「監督が僕らのラジオ(朝日放送ラジオの生番組『よなよな…』)を聴いてくれていたみたいで『いつも通りやってください』と言われました。ほとんどあて書きでしたね」(津田) 「声の仕事はほぼ初めてだったので新鮮でしたし、反響も大きくて楽しかったです」(ユースケ) 周りからは横ばいに見えても、本人たちはゆるやかな上り調子の中にいて、確実に手応えを感じている。同じ時期に上京した後輩のかまいたちはすさまじい勢いで仕事を増やし続けているが、ダイアンの2人に焦りはない。 「レギュラーは欲しいですけど、これ以上むちゃくちゃ忙しくなって仕事のパフォーマンスが落ちるのも嫌です。レギュラーが10本、20本となってきたら、僕らはパーンとなりそうな気がします。この間、(かまいたちの)濱家(隆一)に聞いたら、1日に(番組を)4本録りした後、すぐに別の番組を4本録りした、とか話していて。僕には体力的に無理だし、精神的にもキツいなと思いました」(津田)
「まあ、そういうのも経験できたらしたほうがいいとは思いますけどね」(ユースケ) 現状、バラエティー番組では津田のほうが「イジられキャラ」として脚光を浴びることが多い。彼の「ゴイゴイスー」というギャグは『めちゃ×2イケてるッ!』で披露してから一気に広まった。浮気などの暴露話をされたときに放つ「すぐ言う」というフレーズなど、津田は使い勝手のいい飛び道具を持っていて、先輩芸人のおもちゃにされている。ダイアンの切り込み隊長として頼もしい存在だ。 「相方は東京で初めて仕事をする人にもよくイジられているので、そこは一番の強みだと思います」(ユースケ) 一方のユースケは自ら「僕は時間がかかるタイプ」と語る。ゆるい雰囲気で繰り出される引き芸のボケを得意とする彼が、東京のテレビで目立つのは簡単なことではない。だが、相方の津田はそんなユースケを全面的に信頼している。 「何も焦っていなくて、ドーンと構えてくれているのはありがたいし、頼もしいですね。徐々に認知もされていくだろうし、その段階に入りつつあると思います」(津田) ダイアンの大ファンであるピン芸人のヒコロヒーは、さまぁ~ずのYouTubeチェンネルに出演した際、本人たちを前にして「ダイアンさんが東京で売れ切っていない理由は圧倒的なカリスマ性のなさ」と指摘した。その話題を振ると、2人とも少し照れたように微笑んだ。