「レギュラーは欲しいけど、パフォーマンスは落としたくない」遅咲きのダイアン、等身大の野望
お笑い界には「関西芸人は2度売れなければいけない」という定説がある。大阪で活動を始めた芸人は、関西で人気を確立した後、東京に出ると新たなスタートを切ることになる。ダウンタウン、ナインティナイン、千鳥など多くの芸人が“2度売れ”を経て全国区のスターになっていった。 2018年に上京したダイアンもそんな関西芸人のうちの1組である。ただ、東京進出のタイミングは圧倒的に遅く、上京当時、2人とも40歳を超えていた。遅めの上京から3年、ゲスト出演は多いものの、いまだに東京でのレギュラー番組はゼロ。マイペースで仕事を続ける彼らは現状をどう見ているのか。(取材・文:ラリー遠田/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
東京に行こうと提案したのはツッコミ担当の津田(篤宏)のほうだった。ボケ担当のユースケも気持ちは同じだったので、あっさり受け入れた。 「そのまま大阪で芸人を続けていてもよかったのかもしれませんが、一回ぐらい行っておかないと後悔するかと思ったんです」(津田) 「東京に行きたいという思いはずっと頭にありました。やっぱり東京のテレビ局のほうが規模が大きいし、発信力も違うので、行かない理由がありませんでした」(ユースケ)
仲間の芸人からはバラエティー番組で「上京するのが遅すぎる」「大阪にレギュラー番組をたくさん残して保険をかけている」などとさんざんイジられた。ネットでも東京進出は失敗では?という意見もあった。でも、彼らは彼らなりに自分たちに合ったタイミングをはかって上京を決めていた。 「もっと早く行っても何もできなかったと思うんですよね。やっぱり自分たちのキャラクターの見せ方や立ち居振る舞いは、大阪でできたものがたくさんあるので。もっと若い頃に東京に来ていたら、今のようにはできていなかったんじゃないですか」(津田) 東京ではくすぶっていると言われることもあるが、本人たちはそう思っておらず、「ゆるやかな右肩上がり」だと感じている。決して下がってはいないし、自分たちのペースで仕事ができている。大阪にいた頃よりは仕事の幅も圧倒的に広がった。