勝者なき参院選 安倍政権は“信任されたとは言えない”
れいわは「定着できるか道は険しい」
最後に、山本太郎代表が率いる「れいわ新選組」について聞いた。全体的に盛り上がりに欠けた参院選ではあったが、その中でも、れいわ新選組が2議席を獲得し、得票率が2%を超えたため政党要件も得ることになった。ネット上を中心に一種のフィーバー状態を創出したこの新党に対して、中野教授は「全体的な評価はまだ難しい」とした。 「投票率が極めて低迷している中での出来事で、新しい投票者が増えたとか、自民党支持者が投票したとかというよりは、立憲民主党、共産党に流れていたような無党派の票を取ったように見える。立憲民主党や共産党が野党共闘(の枠組みの中)でおとなしくなっている中で、山本太郎というカリスマ的な政治家の存在で票を取ったところがある。新党はこれまでも生まれては潰れてきた歴史が日本にはある。この党が定着できるのかということでいうと、かなり険しい道だと思う」 山本代表は参院選の直後に「次の衆院選では100人規模の候補を擁立する」と語った。衆院選でのれいわの戦いについて、中野教授は「(参院選で共闘した)既存の野党は政権構想や政策合意を作り、小選挙区でもできるだけ候補者を一本化しようということを、これまでも話し合ってきている。そこに、れいわが入ってくるのか。れいわは消費税を廃止と言っている。そこが合うのかどうか」と指摘。他の野党とどう協力体制がつくれるのかが焦点になってくるのではないかと述べた。