2023年のシリーズチャンピオンを決める一戦【ブルボン Presents WINGRAM CUP 2023 Vol.3】
3位は河上と年齢が近い弱冠10歳でありながら世界最高峰のスケーターである西川有生。西川も河上同様ラン1本目でミスするも、2本目ではスピードを維持したまま高難度トリックを盛り込むルーティンでランを展開。「キックフリップボディバリアル540」「キックフリップインディtoフェイキー」そして「720」とメイクしていく。ラストトリックとなる「オーリー540」は惜しくもミスしてしまったが63.87ptをマークしてベストトリックへ繋いだ。 ベストトリックでは1本目で「ヒールフリップボディバリアル540」を決めて80.37ptをマーク。さらなるスコアアップを目指してトライした「アーリーウープノーハンド540」と「ダブルキックフリップボディバリアル540」は惜しくも失敗。1本目のベストトリックが採用され合計得点を144.23ptとし3位入賞を決めた。 また今回の結果から2023シーズンのシリーズチャンピオンは過去3大会にて1位と2位の座をお互いに分け合う形になった猪又、河上、西川の3名が同率で今年度のJSFバーチカルシリーズの王者となった。
エキスパート女子:ミスのないトリックメイクで圧倒的な強さを見せて優勝したのは長谷川瑞穂
一方で今大会にて女子最高クラスのエキスパート女子クラスには9名のトップライダーが出場。決勝では予選を勝ち上がった8名で優勝争いが行われた。なお競技フォーマットは、エキスパート男子同様に30秒間のラン2本+ベストトリック3本の合計5本のうち、ランとベストトリック各1本ずつのベストスコア2本の合計得点により順位を決める形に。 また今回はバーチカル女王と名高い貝原あさひが決勝ではミスを重ね入賞を逃すなど、全体的にトリックを決めきれない選手が多く現れる波乱の展開となった。
そんな厳しい戦いの中、しっかりトリックを決め切って優勝したのは長谷川瑞穂。昨年はパーク種目にてX Games Californiaでの銀メダル獲得をはじめ、パークとバーチカルの二種目にて世界最高峰の舞台で活躍する彼女。 この決勝ではラン1本目から「アーリーウープジュードーエアー」や「キックフリップインディ」「フロントサイド540」などを高いエアーと共に丁寧に決めると、ラストトリックは「キャバレリアルバックサイドグラブ」をメイクしフルメイクで66.17ptをマーク。その勢いのまま、ベストトリックでは1本目で「アーリーウープキックフリップインディ」を決め55.37pt、そして2本目では「フロントサイドキックフリップフロントグラブ」という前回の第2戦で決められず悔しい思いをしたトリックを見事メイクしてリベンジ。 長谷川自身もようやく決められたベストトリックだったこともあってか涙を浮かべる姿も見せていた。このトリックが66.10ptを評価を得たことでランとベストトリックの合計で132.27ptをマークし、2位と40pt以上の大差をつけて優勝を果たした。