尹大統領逮捕、きょうデッドライン…公捜処は警察と葛藤、再執行苦慮
韓国の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が6日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する逮捕令状時効満了(6日0時)を控えて再執行に出るかどうか苦慮している。3日、1回目の逮捕を試みた時の対警護処首脳部逮捕問題で、葛藤が生じた警察からの支援を受けることが容易ではないためだ。 公捜処は再執行の他に、有効期間延長のために裁判所に事由を説明して逮捕令状を再び請求する方案、逮捕なく直ちに拘束令状を請求する方案などをすべて検討中だ。公捜処の関係者は5日、「3つの方案すべてに対して可能性を残してながら検討中」と話した。 公捜処が再執行に相対な意欲を持っているのは、裁判所が5日、逮捕・捜索令状に対する尹大統領側の異議申立てを棄却して令状の適法性を再確認したためだ。尹大統領側は2日、「令状判事が捜査令状に『刑事訴訟法第110条・第111条(軍事上、秘密を要する場所に対する捜索制限)はこの令状に適用されない』という文面を記載したことは違法」という理由で異議を申し立てた。尹大統領側は「公捜処が管轄権のないソウル西部地方法院(地裁)に令状請求をした」という点も問題にした。 しかしソウル西部地裁刑事7単独の馬晟寧(マ・ソンヨン)部長判事は異議申立に理由がないと判断した。まず刑事訴訟法第110条・第111条に関しては「被告人の発見を目的とする捜索の場合には刑事訴訟法第137条が適用されて第110条は適用されない」と判断した。第110条が物品の押収・捜索に適用される条項であることから、最初から逮捕を目的とした尹大統領の捜索令状では適用されないとの趣旨だ。 判事の令状別途記載に対しても「第110条未適用を確認する意味なので立法権の侵害ではない」と解釈した。馬部長判事は西部地裁に令状を請求したことについても「西部地裁が大統領官邸所在地管轄なので違法とは言えない」と判断した。 公捜処と共同調査本部を構成中の警察は大統領警護処に対する圧迫を強めている。警察は3日に令状執行を阻止した朴鍾俊(パク・ジョンジュン)大統領警護処長やキム・ソンフン警護処次長などを特殊公務執行妨害容疑で立件したことに続き、5日にも警護本部長・警備安全本部長ら2人を追加立件した。 反面、尹大統領は逮捕防御のための“外堀”をさらに深く掘っている。尹大統領の法律代理人団はこの日のコメントを通じて「呉東運(オ・ドンウン)公捜処長や公捜処の検事・捜査官、警察特別捜査団など150人余りを特殊公務執行妨害および致傷、特殊建造物侵入、軍事基地および軍事施設保護法違反など容疑で告発する」と明らかにした。「軍事施設保護区域施設である大統領官邸正門を壊して侵入し、警護処職員を暴行して一部に傷害を負わせた」という理由だ。告発対象には公捜処捜査3部の李大煥(イ・デファン)部長検事と検事3人、李鎬永(イ・ホヨン)警察庁次長(警察庁長官職務代理)、金善鎬(キム・ソンホ)国防部次官(長官職務代行)らが含まれた。代理人団は6日、ソウル中央地検に告発状を提出する予定だ。 警護処も逮捕阻止方針を再確認した。朴鍾俊警護処長は5日、「大統領の絶対安全確保を存在価値とする警護処が逮捕令状執行に応じるということは大統領警護を放棄することであり、職務放棄だと判断した。判断に誤りがあるなら、どのような司法的責任も甘受する」というコメントを発表した。この日、大統領官邸入口には警護処バス数台が動員されて3日の1回目の逮捕を試みた時よりも厚い車壁を構成した様子が目についた。官邸に続く脇道には鉄条網も設置された。 尹大統領支持者1万人(午後3時警察非公式推算)は5日、大雪にもかかわらず大統領官邸付近に集まった。彼らは「不正選挙を検証しろ」「新年の願いは李在明(イ・ジェミョン、共に民主党党代表)逮捕」と書かれたカードを持ち、尹大統領に対する逮捕令状が不法・無効だと主張した。会社員のソンさん(31)は「民主党が巨大野党になったのは不正選挙のためで、非常戒厳宣言には正当な理由がある」と主張した。 公捜処は3日午前8時2分ごろ、ソウル漢南洞(ハンナムドン)にある大統領官邸で尹大統領に対する逮捕令状執行を試みたが、警護処と5時間30分ほど対峙した末に午後1時30分執行を中止して撤収した。