【F1】フェルスタッペンとノリス、仲良し一転…“絶交” オーストリアGPの接触めぐり応酬「無理に突っ込んできた」「マックスは無謀だ」
◇F1 第11戦 オーストリアGP 決勝 30日 レッドブルリンク(4・318キロ×71周) ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス レッドブルのマックス・フェルスタッペン(26)=オランダ=とマクラーレンのランド・ノリス(24)=英国=が、終盤に激しく優勝を争って接触する波乱の展開になった。ともにタイヤがパンクし、フェルスタッペンは5位で走り終えるも、ノリスはリタイア(20位完走扱い)。互いに正当性を主張し、新たな確執が生まれた。メルセデスのジョージ・ラッセル(26)=同=が、棚ぼたで2年ぶりの勝利。ビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅(24)は14位だった。 独走に持ち込んだフェルスタッペンが終盤に「何かが壊れていたのかも。とにかく乗りづらかった」と失速し、追い上げてきたノリスが攻め立てる。ギリギリの攻防戦は延々と続き、64周目のターン3で互いの意地がぶつかり合った。 アウトから攻めたノリスに、フェルスタッペンがスルスルと寄っていって接触。ともにリアタイヤをパンクさせ、緊急ピットインを強いられて優勝争いから脱落した。 車両へのダメージが大きかったノリスはクルマから降り、険しい表情を浮かべる。フェルスタッペンがブレーキング時に禁止されている動きをしたと訴え、「僕はフェアなレースをしようとしただけ。なのにマックスは…。無謀だし、ポジションを守るのに必死だった」と声を荒らげた。 一方のフェルスタッペンはタイヤ交換して走り続け、5位入賞で貴重な10ポイントを獲得。事故の主な責任があるとして10秒加算のペナルティーを受けたが、「起きてはならないことが起きた。無理に突っ込んできて、相手が回避するのを期待するなんて。残念だよ」とノリスを批判した。 ブレーキング時の動きへの指摘には、「(クルマが)動いているときはブレーキを踏んでいない」と力説。自分の特徴的な走りだとは認めながら、合法と強調した。 これまでは仲良しで知られていたが、ノリスは「僕から話し合いをする理由はない」と“絶交”モード。フェルスタッペンも「冷静になってから話し合うよ。今は2人ともイライラしている」と冷却期間を置く。前戦までの6戦で5度ワンツーを分け合った両雄が、遺恨を抱えたまま次戦イギリスGP(7日決勝)に臨むことになりそうだ。
中日スポーツ