知らないと大損!? いつかやらなければいけない「相続財産調査」について専門家が解説
弁護士などに依頼すると10~30万円もの費用がかかる
昔はタオルやカレンダーなど、銀行のノベルティグッズが家にあり、それでどこの銀行と取引があるかが推測できました。今は紙の通帳すら使わなくなってきている時代で、キャッシュカードが見つかればラッキーという状況。親の銀行口座などの金融資産を調べることが、とても難しくなってきています。 一方、相続財産調査の期限に決まりはありませんが、相続放棄や限定承認の期限が「相続が発生したことを知った日(=亡くなったことを知った日)から3カ月」とされています。手続きのことを考えると、2カ月余りのうちに相続財産調査を終える必要があるのです。 相続税申告を税理士に依頼することで負担はかなり軽減されますが、遺産総額の0.5~1.5%の費用がかかります。相続をめぐって親族間で争いが起こった場合は弁護士に相談・依頼することになり、内容によってはさらに費用がかかります。
親が元気なうちに口座の確認や整理をしよう
これらのことを考えると、親が元気な時に銀行口座や取引のある金融機関について教えておいてもらうことが大切です。「◯◯銀行の◯◯支店に口座がある」程度の情報でいいので、親に確認してメモを残しておきましょう。 ついでに、使用しているクレジットカードや加入している生命保険、証券口座などについても確認しておくと安心です。 また、親が何年も使っていない銀行口座を持っている場合は、速やかに解約してもらいましょう。銀行口座は名義人以外が解約しようとすると、委任状や代理人の本人確認書類などが必要になりとても面倒。名義人本人が手続きをするのが、最もラクで早い方法です。 人生はいつ、何があるかわかりません。万一、自分に何かあった場合、相続財産調査を相続人である配偶者や子どもたちがすることになります。その時、配偶者や子どもたちが苦労をしないように、自分の口座も今から整理し、必要な情報をエンディングノートや遺言書などで相続人へ残すことが大切と言えるでしょう。 教えてくれたのは… 丸山晴美さん 22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。 取材・文/かきの木のりみ 構成/サンキュ!編集部
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