還暦を過ぎた事件記者が保育士を目指す ポケットにセブンスターいざ短大入学式へ
男性はいねえか。立ち上がって探します。ひい、ふう、みい……。1組には当方を含めて4人、隣の2組に3人の計7人いました。前年度は学年で1人、なんと7倍です。4年制大学を卒業して入ったという20歳代半ばの野郎も1人いますが、おしなべて大人しそうな印象です。迷える子羊のごとし。けんかしても勝てそうだ。しませんよ、気合いの問題です。 保育学科1年の全容がつかめました。 一、クラス制で1組から4組まである 一、各組に担任教員がつく 一、各組に委員4人を置く 一、出欠・遅刻は必ず担任に連絡 むむむ。ここは小学校か? ■スマホ操作がままならない オリエンテーションは伝達事項の嵐です。 保育学科4クラスの担任教員の紹介に始まり、卒業に必要な取得単位の数、教科書販売の日時や場所、図書館の利用方法、「針供養」や「大学祭」といった行事案内などなど。 さらに授業はひとコマ90分間で年に30回あり、欠席は8回までならOK、定期試験は年に2回で受験時には必ずスーツと校章着用……。まだまだ続きます。 新聞記者時代からずっと愛用している「ヂーエヌ紙製品株式会社」(東京都荒川区)製のノートにこれらを書き留めていたら、あっという間に5ページが埋まりました。甚だしく強い筆圧の大きな文字を黙って受け止め、インクを吐き出してくれるLAMYのボールペンが頼もしいぜ。 「それでは授業の履修登録をします」 教員の呼び掛けで、配布資料の中から登録用紙を探しますが見当たりません。半世紀前の大学入学時には、喫茶店に集まった仲間と「この授業は出欠確認なし」、「試験は資料持ち込み無制限」などと情報交換しながら紙に履修科目を書き込んだものです。 「スマホで入力します」と教員が告げました。まずは履修登録をはじめ休講情報やシラバス検索、成績照会など短大生活に必須のポータルサイト「ユニパ」をインストールしてくれ、と。 しばし待たれよ。