「サンリオ」「セーラームーン」がアメリカの若者のあいだで大ヒット。「少女らしさ」を楽しむトレンドって?
日本のキャラが大流行
〈ソニーエンジェルやサンリオ、セーラームーンやジブリがアメリカの若者の間で大ヒットとなっていることも、「ガールトレンド」によって巻き起こった大きな変化である。特に興味深いのは、これらは全て「日本」のカルチャーであるということだ。 かつては「極東のアジアの幼稚なもの」としてうっすらと見下されていた日本のサブカルチャーが、今となっては「クール」で「お洒落」なものとして人気を得ている。これにはZ世代の人種的多様化やSNSにおけるアジアのポップカルチャーの隆盛など様々な背景があるが、「子供の頃好きだったキャラクター」を、大人になっても他者の目を気にして恥じることなく、思い切り愛して楽しむことを肯定する社会的風潮の変化はやはり大きいだろう。 ファッションにおいても、ロリータファッションやなんちゃって制服などがアメリカでも認知されつつあり、90年代後半に日本で大きな注目を集めた雑誌『FRUiTS』は、アメリカのファッション好きのZ世代にとってはバイブルのような存在となっている。 SNSにおける情報の多様化や選択の自由化は、このようにして日本のファッションブランドやクリエイターの意図や狙いとは関係なく、純粋な興味と関心によって「風変わりで先鋭的」なサブカルチャーを突如としてメインストリームにまで押し上げる機能を持ち合わせている。〉(同書p.52-53) さらに【つづき】「いまアメリカでは、「マスクをつけると、攻撃される」? その「驚きの理由」とは。」(12月31日公開)の記事では、アメリカの「断絶」についてくわしく紹介します。
竹田 ダニエル(ジャーナリスト、研究者)