【高校ラグビー】東海大大阪仰星・浜田素良「ここのために頑張ってきた」前回王者桐蔭学園と決勝
<全国高校ラグビー大会:東海大大阪仰星29-26常翔学園>◇準決勝◇5日◇大阪・花園ラグビー場 東海大大阪仰星(大阪第2)が、3大会ぶり7度目の全国制覇へ王手をかけた。常翔学園(大阪第3)との「大阪対決」を、29-26のわずか3点差で逃げ切った。フッカー浜田素良(3年)が2トライの大暴れ。いずれもモールから最後は184センチ、103キロのパワーで押し切った。連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)は、25-14で国学院栃木に逆転勝ち。7日の決勝は、東海大大阪仰星が、V本命の桐蔭学園に挑む形になった。 ◇ ◇ ◇ 最後は力強く雄たけびを上げた。ロスタイムに入った後半35分。シンビン(一時退場)で13人だった東海大大阪仰星のリードはわずか3点で、相手が絶対の自信を持つスクラム。フッカー浜田は「最後はヒヤヒヤで…。全員でやるしかないと思って」と腹をくくった。相手の土俵でプレッシャーを与え続け、反則を誘う。続くプレーでボールを蹴り出してノーサイド。「全員の気持ちで勝った」。長年のライバルを退けた。 先制も勝ち越しもゴリ押しのプレーだった。前半6分、ラインアウトからモールで押し込み、浜田が左中間へ先制トライ。5-5の同22分も、モールから最後に仕留めた。「前に出ないと勝てない。2本とも絶対に取る気持ちだけでした」。184センチ、103キロの体格とパワーで大活躍した。 “冬の験担ぎ”も忘れなかった。大会前に後輩を呼び出し、バリカンを持たせた。「昨年も丸刈りにして、今年も気合で」。長さ1ミリに整えた頭で、駆ける。スクラムの中央で体を張り、ラインアウトでボールを投入するスローの役割も担う。コツを問われ「気持ちと、気合です」と笑った。 4年前に胸の内で誓ったことがある。「仰星で、花園の決勝でプレーしたい」。中3の冬、花園に通い続けた。21年度大会、当時の優勝校が東海大大阪仰星。「スタンドでしっかり見届けた。とてもひかれて、自分も仰星で成長したいと思った」と入学の決め手になった。花園で躍動する「仰星」の姿が、浜田のように次の世代を受け継がれる。夢見た決勝は、前回王者の桐蔭学園が相手。「ここのために頑張ってきた。一喜一憂せずに、やれることをやるだけ」。3大会ぶりの頂点まであと1つ。注目の大阪勢対決を制して、上げ潮ムードで東の横綱との最終決戦に挑む。【佐藤究】