第93回選抜高校野球 競技を超え監督対談/下 京都国際・小牧監督 京都成章・湯浅監督 /京都
<センバツ2021> ◇子供たちの成長見たい 京都国際・小牧監督 ◇監督自身が楽しんで 京都成章・湯浅監督 19日開幕のセンバツに出場する京都国際の小牧憲継監督(37)と、第100回全国高校ラグビーフットボール大会で初の準優勝に輝いた京都成章の湯浅泰正監督(56)による対談。お互いに交流が深いという湯浅監督が、小牧監督にエールを送った。【司会は今西拓人・毎日新聞京都支局長兼舞鶴支局長、構成・中島怜子、矢倉健次】 ――新型コロナウイルスの感染拡大で、部活動を取り巻く環境が大きく変化した。 小牧 最後の1年を奪われた3年生たちは可哀そうではあったが、休校期間が明けて寮に戻ってきた彼らは、既に切り替えて前を向いていた。(無料通信アプリの)LINE(ライン)で動画などを送り、技術的な指導は続けていた。 湯浅 (ウェブ会議システム)Zoom(ズーム)などでやりとりしたり、ランニングアプリを紹介したりなど、トレーニング方法を共有した。一番つらかったのは集まって練習できなかったこと。無い物ねだりをしても仕方無いので、やれることをやった。 ――全国大会、特に初出場時に挑む際の心構えは。 湯浅 初めて花園に出場した時、相手をしっかり分析して挑んだが、全く歯が立たなかった。今思えば自分たちを信じ、やりたいプレーをやるべきだったのかもと感じる。 今回、決勝戦まで勝ち進み感じたのは、準備期間の重要さ。あらゆることを自分で想定・構築する積み重ねが、強いチームと戦える唯一の手段と感じた。 ――湯浅監督は小牧監督へのエールを。小牧監督にはセンバツへの決意と目標を。 湯浅 高校野球を見ていて良いなと思うのは、伸び伸びと子供たちが野球をしているのを見られた時。アドバイスなど差し出がましいが、監督自身が一番楽しんでほしい。勝ちたい気持ちは大事だが、監督が楽しんでいれば、子供たちも勝手に楽しむ。その姿勢は、未来にも勝負にもつながっていく。 小牧 (昨秋の)近畿大会準決勝の大阪桐蔭戦で、子供たちは「本当の全国レベル」を知ったと思う。私は甲子園のベンチという特等席から試合を見る。子供たちには、昨秋から今春にかけての成長を見せてほしい。 私はラグビーファンなので、花園での京都成章の試合はコロナ禍で無観客となった今回を除き、ずっと観戦してきた。全国制覇できるチームに近付けるよう頑張る。目標は日本一だ。 〔京都版〕