「中国に日本のコメを食べてもらおう」が甘い考えである理由――「ジャポニカ米」国際市場の最新動向
(C)Nishihama / stock.adobe.com
国内においてコメの需要量は、年間10万トンのペースで減っている。ここまで減った原因は、食事の洋風化、低糖質ダイエットの流行、高齢化、人口の減少などさまざまある。今後、減少のペースは加速こそすれ、低下することはないだろう。 コメを使った食品を食べながら消費者が「ごはんで生産者さんを応援したい」と言い、稲穂の束を抱えた生産者が「食べてもらえると米づくりも頑張れる」と話す。最近、こんなCMがテレビで放映されている。現実はというと、消費者がコメを食べる量を多少増やしたところで、需要の減少という大勢は残念ながら変わらない。 国内における需要量を農林水産省は2023年産で680万トンと予想している。10万トンは、その1.5%に当たる。毎年これだけの需要が失われ、そのぶん水田がいらなくなってしまうのは、由々しき事態だ。
本文:3,807文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
山口亮子