老後も「家賃5万円」「軽自動車」は必須です。毎月の生活費はどのくらい掛かるでしょう? 年金だけでは足りないですか?
老後の生活費は人それぞれです。家族構成はもちろん趣味や生活スタイルによっても違ってきます。そのため、平均的な老後の生活費に加えて、自分にとって必要不可欠な要素も加味する必要があります。 本記事では家賃を5万円、軽自動車の保有を条件としてどれくらいの生活費が必要になるかを試算します。老後の生活費が心配な人は、本記事を参考にして、自分なりの老後の生活費を試算してみましょう。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金支給額の平均
老後の生活を支えるのは公的年金がメインとなりますが、平均でどれくらい支給されているのでしょうか。厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均支給額は月額で14万4982円です。 配偶者が専業主婦(夫)で国民年金が支給されていれば、さらに6万4816円(満額の場合)が加算され、合計20万9798円が支給されることになります。 なお、平成6年4月からの厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は、平均と標準の違いはありますが、23万483円と増額傾向にあります。
家賃5万円と軽自動車の所有で掛かる生活費と年金との差額
老後の生活費と言っても生活スタイルがそれぞれ違うので、掛かるお金が違うのは当然です。そのため、平均的な生活費に各自のライフスタイルに合わせた費用を加えることで、それぞれの生活に合わせた生活費の計算をしましょう。 本記事では家賃を5万円にし、軽自動車の所有を前提にした生活費を計算します。 【老後の生活費の平均】 厚生労働省年金局の同調査によると、老後の最低日常生活費は平均で23万2000円となっています。 また、総務省の「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦世帯の支出内訳は以下のとおりです。 ◆支出総額 約28万円 ・非消費支出(税金、社会保険料など)……約3万円 ・消費支出……約25万円円 食料……約7万3000円(29.1%) 住居……約1万7000円(6.7%) 光熱・水道……約2万2000円(8.9%) 家具・家事用品……約1万円(4.2%) 被服・履物……約5000円(2.1%) 保健医療……約1万7000円(6.7%) 交通・通信……約3万円(12.2%) 教育・娯楽……約2万5000円(9.8%) その他……約5万1000円(20.3%) 【家賃5万円と軽自動車の維持費を加えた生活費】 平均的な生活費に家賃5万円と軽車両の維持費を加えて計算してみましょう。軽自動車はすでに保有しているものとし、購入に掛かる費用は除外します。また、車の使用状況によって維持費は異なるので、一般的な相場の年40万円(月3万3300円)で計算します。 65歳以上の夫婦世帯の支出総額は約28万円ですが、住居費と交通・通信費を以下のとおり変更します。 ・住居費……1万7000円→5万円(+3万3000円) ・交通・通信(※)……3万円→4万5000円(+1万5000円) ※ 交通・通信の中の「自動車等関係費」を3万3000円に置き換えたもの 以上から合計で5万9248円が加算されるので、家賃5万円と軽乗用車の維持費を加えた生活費は28万円+4万8000円=32万8000円となります。 【年金支給だけでは不足する金額】 夫婦での平均年金収入額を20万9798円とすると、家賃5万円、軽自動車使用の生活費32万8000円には月間約11万8000円不足することになります。 ただし、これは配偶者が国民保険のケースなので、配偶者も厚生年金で夫婦ともに同額と考えた場合は年金額14万4982円×2=28万9964円となり、不足分は約3万8000円と大幅に縮小します。 しかし、いずれの場合も不足することは間違いないため、以下の方法で早めに対策しておくことが必要です。 ・iDeCo・NISAなどの積み立てで早めに資産形成を図る ・通信費の見直しなど生活費の節約を行う ・65歳以降もなるべく勤務する ・不動産などの資産があれば現金化を図る