光宗薫がイギリスで撮影したフォトブックを発売「マクドナルドでハンバーガーを買っただけで、『私、イギリスで生きてる! スゴい!』って思えるんです(笑)」
■一人海外旅行は些細な挑戦の連続 ――そもそも、何故2年前に一人で1ヶ月間もイギリスに? 光宗 前々からイギリスに興味があったんです。古い建物や先ほど紹介したようなディープスポットが多くあると知り、漠然と憧れを抱いていました。とはいえ、無理やりにでも機会を作らないと行かないまま時間だけが経ってしまうじゃないですか。何か目的を作ろうと思い立ち、イギリス芸術大学(UAL)のショートコースを予約。「円安で旅費が高いとか言ってられないぞ」と自分に言い聞かせ、強引に重い腰を上げました。 ――何かタイミングみたいなものもあったんですかね? 光宗 うーん、何でしょう。強いていえば、何となく人生に慣れ始めてきた頃合いだったのかもしれないです。当時28歳。10代の頃に比べて要領も覚え、良くも悪くも悩んだりドキドキしたりする機会が極端に減ってしまったというか。安定していると言えば聞こえはいいですが、1年後の自分の姿さえ想像できてしまっていたんです。そんな中で、漠然と新しい挑戦を欲していたんだと思います。 実際、イギリスでの毎日は小さな挑戦の連続でした。言語も文化も違う環境に飛び込むわけですから。電車の乗り方も、人とのコミュニケーションさえも「これで合ってるのかな?」から始まる。全部、挑戦なんです。日本で生きていても、なかなかそうはならないですよね。逆に言えば、普通に電車に乗れただけで得られる達成感があるんです。その体験がスゴく楽しかった思い出です。 ――確かに。「今、私ひとりでイギリスにいるんだ」と思うだけで、気持ちが強くなりそうです。 光宗 そうそう。マクドナルドでハンバーガーを買っただけで、「私、イギリスで生きてる! スゴい!」って思えるんです(笑)。 ――とはいえ、慣れない海外での一人旅。不安や困り事はなかったですか? 光宗 特になかったですね。もともと一人行動が好きで一人旅には慣れていましたし、不安そうにしていると逆に危ないかなと。見かけだけでも堂々と過ごしていたら、自然と気持ちも追いついていました。 コミュニケーションも、翻訳機を使えば大体通じます。それこそ当時はドミトリー(一部屋に複数人が相部屋で宿泊する施設)を転々としていたので、海外から来た旅行者や現地の方との交流も多くて。「何言ってんの?」みたいな顔をされながらも、拙い英語とジェスチャーでコミュニケーションをとっていく感じが新鮮で楽しかったのを覚えています。大きな困り事はなかったですね。 ――ドミトリーですか!? 意外です。てっきり、ホテルじゃなきゃ周囲の音が気になって眠れないタイプかと思っていました。 光宗 どんなイメージですか! 何よりドミトリーは圧倒的に値段が安いですからね。長期滞在を考えると、ホテルは現実的じゃなかったです(笑)。それに、積極的に交流を増やし英語を使うことで、海外に来た感もより味わえます。せっかくイギリスまで行っても、ホテルで一人だと日本と変わりませんからね。フォトブックの最後のページでおすすめのドミトリーをいくつか紹介しているので、もしイギリスに行く機会があれば、是非参考にしてもらいたいです! ――今後は、イギリス以外にも一人海外旅に? 光宗 行きたいですね。スイスの田舎のほうとか、あとプロレスが好きなのでメキシコに本場のルチャ・リブレを観に行きたい。もちろん、次も一人が良いです。知らない場所に一人でいると、些細な挑戦もミッションに思えてくるというか。冒険心がくすぐられるんです。お金の面とか、現実的なことを考えると色々大変ですけど。それでも行かなきゃならない時があるぞ! と、そのときはまた腹を括ります(笑)。