綾瀬はるかは変な人? 現在地をインタビュー。
──実際にご自身ではのり子との共通点を感じる部分はありますか? 綾瀬さんは自分をどんな人間だと分析しているのでしょうか。 10代の頃から自分を動物に例えるなら「ナマケモノ」だと言っていますが、実際は自分自身のことをあまりよく知らなかったりします。なので、監督の「そのままでいて」という言葉も、最初はすごく難しかった。ただ、共演した市川実日子ちゃんから、「自分の中にあるキラキラとしたものを全部消せということだと思うよ」と言われて、しっくりきたんです。何度かやっているうちに、セリフを言うタイミングさえも宇宙に任せるというか、降ってきたら言うくらい極限のところまで黙っていてもいいんだと。経験を重ねることで相手を気遣って話しかけたり、色々とやらなくてはいけないことを身に着けてきていますが、その殻を一度全部捨ててむきたての卵に戻る。初心に戻る感覚だということが分かってから、楽になりましたね。 ──大沢一菜さんとの共演はいかがでしたか。彼女の横にいることで感じた、大沢一菜の魅力とは? 一緒に時間を過ごすうちに、一菜ちゃんも伝えようとしてないんだなということに気がついたんです。「え?どこにおるん?」というくらい自然というか。そこが彼女の魅力なんです。お芝居を離れたところではシャイなのですが、撮影が進むにつれて少しずつほぐれてきて、そこがまた可愛かったです。 ──大沢一菜さんは13歳で、綾瀬さんも15歳でデビューをされています。当時、どのような未来を思い描いていたか記憶していますか? それが、いまも昔もあまり先のことをイメージができないんです(笑)。基本的にそのときの流れに身を任せていたら、いまに辿りついたという感じです。 ──その流れに乗りながらも、「これだけは譲れなかった何か」はありますか? それがお芝居だと思います。何度も「もっとできたのに」と思ってすごく悔しくて落ち込んだりもしました。やるからには、みんなにいいねと思っていただけたり、喜んでもらえるものを出したいと思うので、芝居への取り組み方という点に関して変わらず真剣に向き合っています。毎回演じる役も違いますし、全員が同じ現場というのはないので、その都度緊張をして、常に「今の芝居で大丈夫かな?」と不安になりながら、探り探りやっているような気がします。