【MotoGP】ドゥカティ昇格決定後、初の公式会見にマルケス現る。「1年前は引退を考えてたから、とても嬉しい」
MotoGPで8度チャンピオンに輝いているマルク・マルケスがドゥカティのファクトリーチームへ昇格すると発表されたのは、第7戦イタリアGPの終了後。それ以降MotoGPはしばらくレースがない期間が続いたため、6月28日に始まったオランダGPで発表以降初めてマルケスが公の場でこの件について語る機会を得た。 【リザルト】MotoGP第8戦オランダGP FP1結果 ドゥカティがホルヘ・マルティンをプラマックから昇格させるという当初の見込みから決定を翻し、マルケスを選んだことは驚きを持って迎えられた。1年前は引退すら考えていたマルケスのキャリアは、ここに来て再び輝きを増している。 「とても嬉しいし、ドゥカティ・コルセが僕をペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ)のチームメイトに選んでくれて本当に感謝している。特に1年前のここでは、僕は真剣に『僕のキャリアはこれで終わりだ』と思っていたことを考えるとね」 オランダGPでマルケスはそう語った。 「でも幸運なことにサマーブレイク期間でバッテリーを充電して、体力も回復させることができた。その時に、僕は別の道(移籍)を行くことを決めた」 「この決断においては、当然ながらホンダにも感謝している。彼らは僕の状況を完璧に理解してくれて、グレシーニへ移ることを許してくれた」 「そしてグレシーニではすぐにこれだと分かったんだ。このバイクで再び自信を取り戻すための準備ができていて、チームの雰囲気は何かを失ったライダーを復活させるのに最適な場所だとね」 「だからその時点から僕はベストを尽くそうとしてきたし、ドゥカティのファクトリーマシンの候補者のひとりになることができた。その時点で僕としては嬉しかったんだ」 「ムジェロ戦の日曜夜に、彼らは僕を(ファクトリーチームの)ライダーに決めたということを教えてくれた。その2日後に契約を結んで、水曜日に発表したんだ」 なおマルケスはドゥカティのライダー選定にあたって、プラマックへの移籍を望んでいないことは、以前から正直に伝えていたと主張している。 「僕のチームや、チームの周りでは何も変わっていない」 「僕たちはル・マンからモンメロ(カタルニア)、そしてムジェロまで同じ情報を得ていた。彼らは決定を考えていたけど、ムジェロの水曜日時点ではまだ検討中で、僕も心配していなかった」 「僕は自分の望んでいることをとても正直かつ明確にしてきた。グレシーニで最新型バイクを使うか、それともファクトリーチームかだ」 「ドゥカティは僕をファクトリーチームのライダーに選んでくれた。だからより嬉しいよ。ライダーはファクトリーチームを目標にするものだし、来年あの赤いチームで走ることは嬉しいことだ。僕も最大限努力して、この色を守りたい」 マルケスはグレシーニへと移籍する際に、基本的にホンダからエンジニアを連れて行くことはなく、タイヤ技術者を1名引き連れていったのみだった。 グレシーニではフランキー・カルチェディをクルーチーフとしているが、ドゥカティのファクトリーチーム昇格にあたって彼がそのままマルケスを担当するのか、それとも現在エネア・バスティアニーニを担当しているマルコ・リガモンティがクルーチーフに就くのかどうかは、現時点では不明となっている。
Lewis Duncan