DeNA・牧「勝ち切る覚悟」でV打 3位から下克上、7年ぶりの日本シリーズへ
DeNA3―2巨人（21日、セ・リーグCSファイナルステージ） 勝負を決めたのは、DeNAの頼れるキャプテン牧だった。2－2の九回2死三塁。救援に回った菅野の外角低めのカットボールに食らいつく。勝利への執念を乗せた打球は、三塁・坂本の脇を抜けた。「本当に気持ちで打てた。粘り勝ちできてよかった」。DeNAファンの大歓声を背にバットをたたきつけ、一塁上で力の限りほえた。 【別カット】九回、牧が勝ち越しの適時打を放つと感情をさらけ出した 先制される苦しい展開。それでも誰一人あきらめなかった。0－2の五回。梶原、森敬、フォードの3連打で同点に。救援陣が何度も窮地をしのぎ、迎えた九回にドラマが待っていた。リーグ戦で8勝16敗1分けだった王者・巨人を破り、3位からの下克上。三浦監督は「選手たちが気力を振り絞って戦ってくれた」と目をうるませた。 球宴を挟んで9連敗。首位が遠のく中、9月を前に牧はナインを集めて覚悟を口にした。「ただ1勝すればいい、勝ち越せばいい。その考えだと絶対優勝はできない」。大事なところで勝ち切れない。そんなチームを変えたかった。牧発案の「勝ち切る覚悟」を合言葉に、チームは団結。上位勢との対戦が続いた9、10月を勝ち越し、終盤戦の集中力をCSでも見せつけた。 同じく3位から勝ち上がった前回2017年の日本シリーズは2勝4敗。1998年以来の悲願は果たせなかった。入団4年目で初の大舞台を迎える牧は「また投打がかみ合うように。一試合一試合戦っていきたい」とさらに上を見据える。相手は7年前と同じソフトバンク。リベンジの舞台は整った。（川峯千尋）
