９回、牧に左前適時打を許した菅野（左）

　「ＪＥＲＡ　ＣＳセ・ファイナルＳ・第６戦、巨人２－３ＤｅＮＡ」（２１日、東京ドーム） 【写真】思わず座り込んだエース　巨人を背負う男が見せたつらすぎる表情 　リーグ覇者の巨人は悪夢の終戦。ＤｅＮＡとの歴史的死闘に敗れ、４年ぶりの日本シリーズ進出を逃した。 　決勝点を献上したのは巨人・菅野だった。同点の八回から、自身６年ぶり、ポストシーズンでは初の救援登板。中３日の難しさの中、八回は三者凡退に抑えたが、九回に痛恨の勝ち越し点を奪われた。先頭森敬の安打からピンチを招き、２死三塁から牧に痛恨の左前適時打を浴びた。 　ベンチへ戻り、菅野は呆然。ＣＳ前、今オフに海外ＦＡ権を行使してメジャー挑戦する意向を示し、日本一へ並々ならぬ決意を示していたが、まさかのラスト登板となった。 　敗戦後、ベンチ裏で取材に応じた菅野は目が真っ赤。涙ぐみながら「みんながつないでくれた登板だったので結果で応えたかった。でも全部のボールに悔いはないし、最善の準備をしてマウンドに上がったので。結果としては申し訳ない。でも、きょう投げたボールに悔いはないです」と繰り返した。 　これが、日本ラスト登板になる可能性のある菅野。今後への話題に、「僕も終わったばかりなので、次という感覚にはならない。人生で味わったことのないくらいの悔しさ。それを糧にできればと思います」と言葉を振り絞った。ファンの大声援には、「今日の声援というのは一生、忘れることはないと思います」と感謝した。 　菅野も含めて、一丸で戦った末の敗戦。阿部監督は「勝たしてあげられなかった。申し訳ない」と謝罪した上で、「結果が全てのプロ野球。ゼロにはならないと思うが、収穫もたくさんあった。選手を批判しないであげて。僕が勝たしてあげられなかった。そっちの批判は受けます」と、敗戦の全責任を背負った。