【日本ダービー展望】最有力候補はジャスティンミラノ 牝馬レガレイラはルメールとのコンビ復活で反撃へ
[GⅠ日本ダービー=2024年5月26日(日曜)3歳、東京競馬場・芝2400メートル] 競馬界では暮れの有馬記念と並ぶ〝国民的行事〟となる日本ダービー。過去10年の勝ち馬のうち、その後もGⅠを制したのは4頭。〝10分の4〟という率をどう見るかはそれぞれだろうが、残る6頭の中には、ダービーで完全燃焼してしまったのか、その後に勝利を挙げられなかった馬や出走すらかなわなかった馬も。〝最も運のいい馬が勝つ〟と言われるダービー。馬の実力だけではなくさまざまな要素がかみ合って、レース当日に競馬の神様を味方にできた馬が勝利できるレースなのだ。 さて、91頭目のダービー馬に輝き、2021年産7906頭の頂点に立つのはどの馬か? その最有力候補はジャスティンミラノ(牡・友道)だ。1分57秒1の超速レコード決着となった1冠目を無敗で制覇。藤岡康太騎手が調教に騎乗していたドラマ的要素はもちろん、その勝ちっぷり、数字ともにインパクト大だった。勝てば史上8頭目の無敗の春2冠馬となり、管理する友道調教師にとっては歴代最多となるダービー4勝目がかかる。 ハイレベル皐月賞でジャスティンにクビ差まで迫ったコスモキュランダ(牡・加藤士)は8戦という豊富なキャリアを武器に逆転を狙う。同馬のデビュー戦(昨年6月・東京芝1600メートル)は12頭立て12着。最下位デビューの馬のダービー制覇は2歳戦が行われるようになった1946年以降では初となる。乗り替わりに関してもダービー2勝を挙げるM・デムーロなら不安はあるまい。 同4着アーバンシック(牡・武井)の鞍上・横山武は21年エフフォーリア(ハナ差)、23年ソールオリエンス(クビ差)の小差2着で2度涙をのんだ。5度目の挑戦で悲願のタイトルを狙う。また、同5着シンエンペラー(矢作)には外国産馬初のダービー制覇がかかる。登録のある凱旋門賞に向けて弾みをつける初GⅠを手にできるか。 また皐月賞では6着に沈んだレガレイラ(牝・木村)はルメールとのコンビ復活で牡馬に再挑戦する。こちらもシンエンペラー同様に凱旋門賞に登録。07年ウオッカ以来となる史上4頭目の牝馬Vを目指す。 このように今年も王道組は強力だが、他路線組にも魅力ある馬が揃った。まずは青葉賞勝ち馬シュガークン(牡・清水久)。3連勝で青葉賞制覇という底を見せていない実績だけでなく、GⅠ7勝のアイドルホース・キタサンブラックの半弟という血統面、ダービー最多勝ジョッキー・武豊とのコンビなど買い材料は多い。史上初の青葉賞組のダービー制覇なるか。 3連勝中のスプリングS勝ち馬シックスペンス(牡・国枝)は国枝調教師に悲願のダービータイトルを届けることができるか? また、プリンシパルSを快勝した4億5000万ホース・ダノンエアズロック(牡・堀)、京都新聞杯を制したジューンテイク(牡・武英)らも虎視眈々と3歳馬の頂点を狙っている。
東スポ競馬編集部