“漫才師”ミキの漫才への矜持 ブレない主軸で『M-1』とも程よい距離感に「気が楽になりました」 6連覇中『岡-1』への本音もチラリ
兄弟でしゃべくり漫才を行っている、お笑いコンビ・ミキ(昴生・亜生)。2012年の結成以降、16年には『第1回上方漫才協会大賞』新人賞に輝き、17年と18年には『M-1グランプリ』のファイナリストになるなど、順調にキャリアを積み上げている。そんな2人が今最も力を注いでいると言っても過言ではないのが、全国ツアー『ミキ漫』だ。芸歴を重ねていく中で賞レースへの向き合い方にも変化が訪れたという2人に、今の心境を迫った。 【写真】主軸は『ミキ漫』!今年も全国各地を回っていくミキ ■年始早々から新ネタ!自分たちだけで2時間の舞台「今でも足が震えます」 『ミキ漫』は、28日の東京・有楽町よみうりホールを皮切りに、北海道から沖縄まで全国11ヶ所12公演を行うが、昴生は「やっぱり、普段NGK(なんばグランド花月)やルミネtheよしもとには来られないお客さんもいっぱいいて。見たくても見れへんお客さんがいるので、じゃあこっちから出向こうかっていうのが、3つ目くらいの理由で(笑)。1つ目の理由ですか?おいしいものを食べることです」と笑顔を見せる。2人が『ミキ漫』にかける思いは強い。 亜生「今年は、1月2日か3日ぐらいから寄席始まっていたんですけど、それぐらいから新ネタ下ろしていたので、みんながびっくりしていました」 昴生「もう全部、これに向けてです。去年の暮れからずっとです」 亜生「みなさん、その後の予定があって、それが狂うといけないので、先にお伝えしておきますと、公演時間1時間半となっていますが、それよりも長いです。1時間半で終わったことないです(笑)。途中で帰らざるを得ない人もいらっしゃるので。巻くことはないです」 昴生「散歩が好きなので、公演前に会場の近くを歩いたりするんですけど、そこで見たこととかをオープニングトークで話していたら、ついつい30分とかなっちゃうんです(笑)。漫才も全公演違いますし、同じ公演はないので、ぜひいろんなところに来てください!」 舞台は、観客の声がダイレクトで返ってくる。昴生が「こんなにしびれる仕事ないです」とかみしめるように語る。「寄席はチームプレーなので、例えば僕らがあんまり良くなくても、後で師匠たちが何とかしてくれる。でも『ミキ漫』は始まってしまえば、1時間半から2時間は自分たちがどうにかしなければいけない。このプレッシャーは、今でも足が震えます。刺激があって楽しいです。成長もさせてもらっています」。 毎年、ここに向けて新ネタを作るというのもかなりのプレッシャーのように思えるが、昴生が淡々と、しかし力強い言葉を紡いだ。「でも、それが日常生活というか、僕らのお仕事ですからね。みなさんが定時に出勤して…っていうのと一緒の感覚で、それをやらんかったら漫才師やないなと思っているので」。