プロ野球のCS争いが消滅する?! セ・パともに2極化
プロ野球のペナントレースは、パ・リーグでは、“絶対王者”ソフトバンクが、日ハムに3ゲーム差に肉薄され俄然面白くなってきたが、その一方、セ・リーグは、広島が2位の巨人に8ゲーム差をつけて独走状態。そして、さらに顕著になっているのが、Aクラス、Bクラスの2極化現象だ。パでは、3位のロッテと4位の楽天とのゲーム差が、「11」と大きく開いてしまっている。 セも3位の横浜DeNAまでは、勝率5割以上をキープしているが、4位の阪神以下は、2桁以上の借金生活。横浜DeNAと阪神のゲーム差は「5」だ。 ここ数年、クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた3位争いが激しく、最後の最後まで、ファンの注目を集めていた。昨年も、パは西武とロッテが熾烈な3位争いを演じ、セでは広島が10月7日の中日戦で勝利すれば、阪神を逆転してCS出場権を得るという“最終決戦”にまでもつれこんだ。広島は本拠地でエースの前田健太を立てて臨んだが、この試合を“レジェンド”山本昌の打者一人引退試合にした中日に対して0-3で敗れて涙を飲んだ。しかし、例年のようにドラマを生んできたそのCS争いが、今季はBクラスチームのていたらくで消滅してしまう可能性が出てきたのだ。 2004年(セは2007年に導入)にパが導入したCSは(当初はプレーオフの呼称)、消化試合をなくしてペナントレースに最後の最後までファンの関心を集めることが、採用理由のひとつだった。だが、セ、パともにそのCS争いが消滅してしまえば、CSの廃止が議論されることにさえなりかねない緊急事態だ。 「セ、パともにAクラス、Bクラスが完全に2極化してしまっています。特にパはかなりの差があります。寂しい話ですが、セ、パともに、初めてクライマックス出場権を賭けた熱い戦いが、ペナントレースの終盤に見れなくなる可能性が出てきました」と、千葉ロッテ時代にクライマックスシリーズから勝ち上がっての日本一を2度も経験、“史上最大の下克上”という流行語を作った評論家の里崎智也氏も危惧を抱く。 そもそも、なぜこのような2極化の事態を招いたのか。里崎氏の分析は、こうだ。