プロ野球のCS争いが消滅する?! セ・パともに2極化
「パの場合、ソフトバンクの分厚い戦力、日ハムの大谷、有原の貯金を作れてチームを連敗させないエース2人の存在など、戦力面の差がAクラスとBクラスで顕著ですが、セ、パともに言えることは、中継ぎ、ブルペンがしっかりしているチームが上にいます。特にセがそうでしょう。 セの1点差ゲームの勝敗データを見てもらうとよくわかりますが、セでは、現在Bクラスの3チームは、いずれも1点差ゲームで負け越しています。この勝ち負けが、順位に影響しています。1点差ゲームを勝ちきれない理由は、やはり中継ぎ、ブルペンの不安定さなんです。 広島も横浜DeNAも強力な打線がチームに勢いをつけていますが、広島はジャクソン、ヘーゲンズ、中崎の3枚が安定しているし、横浜DeNAも三上、田中、山崎らが頑張っています」 セの1点差ゲームの勝ち負けデータを見てみると、広島(12勝12敗)、巨人(16勝9敗)、横浜DeNA(15勝8敗)となっていて、トップの広島こそタイだが、巨人、横浜DeNAは大きく勝ち越している。一方、阪神(13勝16敗)、中日(10勝15敗)、ヤクルト(10勝13敗)と、Bクラスチームはいずれも接戦に弱い。 里崎氏が指摘する、中継ぎ、ブルペンの安定度を示す救援防御率を比べて見ると、パでは、上位3チームのソフトバンク(2.79)、日ハム(3.05)、ロッテ(3.17)に対して、下位の3チームは、楽天(4.36)、西武(3.40)、オリックス(4.07)と、明暗がデータでハッキリと分かれてしまっている。 「オリックス、西武は消滅してしまいましたが、自力でのCS進出の可能性が残っている限り、どうなるかわかりません。上位にいるチームも、主力に故障などのアクシデントが発生したり、プレッシャーがかかりはじめると、連敗してしまう可能性もあります。 ただ、同時に下にいるチーム同士でも勝ち負けがあるわけで、そう簡単にゲーム差は縮まらないのですが、ファンからすれば、せめてクライマックス争いが再燃して欲しいでしょうね」と里崎氏。 優勝争いだけでなく、CS争いの興味までなくなってしまえば、現在、Bクラスに甘んじているチームのファンは、9月の楽しみ方に苦慮してしまうことになるだろう。