鍵山優真が新王者へSP首位「強い意識持って」 織田信成らの後に貫禄 フィギュア全日本
フィギュアスケートの全日本選手権は20日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで開幕し、男子ショートプログラム(SP)で初優勝を目指す鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が92・05点で首位に立った。 ◇ ベテランの織田、16歳の中田が続けて好演し、大いに盛り上がった会場で、2022年北京五輪銀メダルの鍵山が貫禄の滑りを披露した。転倒はあったものの、92・05点で首位発進。「みんなが優勝を狙っている。その中でネガティブな部分を見せると、些細(ささい)なことで一気に(差が)広がってしまう。最初から最後まで強い意識を持ってやることが大事」。初優勝に向かう気概を演技で表現した。 「サウンド・オブ・サイレンス」の落ち着いた曲調に乗せ、冒頭の4回転サルコーを着氷。続く4回転-3回転の連続トーループも成功させると、次のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は転倒したが、引きずることはなかった。 後半のスピン、ステップは「練習通りできた」。自ら及第点を与える出来で終え、「今季は気持ちの弱いところが目立っているけど、少しずつ強くなっている」とうなずいた。 ここ12年間、全日本は羽生(はにゅう)結弦(ゆづる)と宇野昌磨(しょうま)が頂点に君臨してきた。ともに引退し、誰もが新王者になろうと、緊張感が漂っている。フリーへ向け、鍵山は「自分自身、全力で出し切った演技ができるように頑張りたい」と気持ちを入れ直した。(大石豊佳)