サッカーコラム 開幕した第103回全国高校サッカー選手権大会 今年はどんなドラマが生まれるのか
【No Ball、No Life】第103回全国高校サッカー選手権大会が28日に開幕した。開幕戦は帝京(東京B)-京都橘(京都)の一戦で幕を開け、帝京が勝利した。 【写真】高川学園が前年度王者の青森山田に勝利!先制ゴールをスタンドの仲間と喜び合った 今大会は近畿勢の大半がDブロックに入り、2回戦以降での近畿対決の可能性が高かったが、1回戦で京都橘と奈良育英が姿を消すことに。2年連続で初戦敗退となった京都橘の米澤一成監督は「選手は本当によくやってくれた。決め切れなかったところが残念なところ」と悔しさを口にしつつ、「今年全然勝てなかったことがあったなかで、ここまで来られたことは選手が諦めずに努力したことがここまで来られたことにつながった」と選手の努力を評価していた。 その一方で、京都橘が一歩先に進むためにはどうしたらいいのか。「技術的なこと、メンタル的なことも必要だと思いますし、われわれのアプローチ、こういうときにでも決め切れるようなトレーニングも考えないといけない」と分析し、「勝負強さ、一定のところまで行っているが、そこで結果につなげられるということを1、2年生には次の橘の歴史を作ることが大事。彼らの自主的なところと、私の勉強不足なところを解消しないといけない」と冷静に語った。 開幕戦後、敗れた主将のDF宮地陸翔(3年)は「来年の1、2年生に託して、この舞台に帰ってきてほしい」と期待を寄せる。厳しく、苦しい3年間を過ごし、その集大成として全国への切符をつかんだとしても、あと一歩の差が勝敗を分ける。その差が何なのか。どうすれば埋まるのか、結果につなげられるのか。プレーするのがプロアスリートではなく高校生なだけに、一瞬の心情の変化など難しい部分はある。そこにドラマがあるともいえる。 試合終了の瞬間、歓喜に沸く帝京の選手と対照的に、国立競技場のピッチに崩れ落ちた京都橘の選手たち。この悔しさを今後の人生の糧とし、後輩たちは飛躍していってくれるはずだ。(西垣戸理大)