「タケはソシエダでも日本代表でも移動を」過酷日程で荒々しく削られた久保建英だが…“相手守備を崩壊させる直感”をカメラマンは見た
久保に対峙したDFの荒々しいハードマーク
久保への対応に遅れを取ったハビは、荒々しいプレーだけでなく、カードも辞さないといったハードマークも見られた。しかし主審がカードを出さなかったこともあり、ゲームは全体的に荒れ模様となる。その影響を大きく受けたのはソシエダで、前半のうちにアイエン・ムニョスが、また後半早々にチームの要マルティン ・スビメンディ、さらにセルヒオ・ゴメスの計3名が負傷離脱を余儀なくされた。 この日は14時キックオフで、前半は真っ逆光での撮影だった。それもあってナイターの撮影とはまた違う写真が撮れた。ピッチレベルで撮影するカメラマンとしては、フェアな中での激しいプレーは有難い。ただ負傷者が数多く出るような事態だけは避けてもらいたい……。 後半に入ると、ホームチームのポゼッションがやや強まり、ソシエダの攻撃に手詰まりを感じさせたが、77分、セルヒオの負傷交代に合わせて久保もピッチを後にした。今節より中3日で迎えるELディナモ・キエフ戦への温存策の意味もあっただろうか。
“久保交代直後のゴール”にカメラマンが感じたこと
試合は久保が交代した直後、78分のセットプレーから、投入直後のアンデル・バレネチェアがこぼれ球に反応し追加点を奪った。 得点を決めたバレネチェアは、ソシエダファンが陣取るゾーンへ駆け寄り喜びを共にした。また終了間際にダメ押しゴールを決めたオヤルサバルが、ファンに向かい上空を指差すようなセレブレーションを見せた。 奇しくもこの日と同じ日付の、1998年12月8日に1つの事件が起きている。 ソシエダサポーターのサバレタ氏が、アトレティコ・マドリー(日本国内ではネットメディアによる“久保移籍の噂”が衆目を集めているようだが)のウルトラスのメンバーに胸部を刺され亡くなっている。クラブ、サポーターにとってこの日は、団結を強める大事な日として語り継がれている。 だからこそ、この日のゴール、勝利をソシエダというクラブが一緒になって祝う印象的なシーンだった。望むらくは2つのゴールが生まれる直前までピッチにいた久保の姿も写すことができていれば……。
ベンチコートを羽織った久保が…
リーガ、EL、国王杯と4連勝を果たして好調のソシエダだが、前述したようにケガ人の状況は気になる点だ。 キックオフ時には日差しも強く暖かさを感じていたが、終了の頃にはかなり肌寒くなっていた。ピッチへ選手たちを労わりに出てきた久保もコンディションを気遣ってか、ベンチコートを羽織っていた。
(「欧州サッカーPRESS」中島大介 = 文)
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