ホークス元エースの攝津正さんが若き「捕手・栗原陵矢」に見た原石の輝き。野球を愛するshake hands社長が次世代育成と社会貢献に取り組む理由とは【第2期OTTO!学生スポーツゼミ⑩】
西スポWEB OTTO!の2024年度学生スポーツゼミ第10回講座は、福岡ソフトバンクホークスの元エース攝津正さんと、攝津さんのマネジメントや野球振興事業に取り組む株式会社shake handsの鴛海秀幸(おしうみ・ひでゆき)社長をゲストに迎えた。学生たちは、同社と攝津さんが今月開催する子ども野球教室の魅力的なプログラム内容や、イベント告知の方法を考えた。 ■ゼミを終えて「スポーツビジネスにおいて元選手のお話をうかがう機会はないので、貴重な時間になりました」【一覧】 ■捕手・栗原のレアな写真 最優秀中継ぎ投手、最多勝、最高勝率、沢村賞…。 ホークスのレジェンド・攝津さんの登場に、ゼミ生たちに喜び半分、緊張半分の雰囲気が漂う。そんな空気を察したゼミ長の市川圭之介・日本経済大教授(元ホークス職員)が、会場のスクリーンに映し出した写真を紹介した。西日本新聞が提供したその一枚は、現役時代の攝津投手と当時は捕手だった栗原陵矢選手がバッテリーを組み、試合中に談笑するレアな一枚(2017年撮影)だった。 「キャッチャー栗原の印象は?」という市川さんの質問に、 「ないですね」と応じた攝津さんのジョークに会場から笑い声が上がった。 「でも、性格が素直で、先輩にでも疑問に思うことをどんどん質問する選手だった。年の離れた先輩と接するのは緊張するものだが、非常に明るい。何でも吸収しようという姿勢があった」。捕手から内野手へのコンバート、たび重なるけがに苦しみながらも今季パ・リーグ三塁手部門でベストナインとゴールデングラブ賞に選ばれた栗原選手の若手時代について、攝津さんはこう振り返った。 場も和んだところで話題は、野球振興や社会貢献に取り組む攝津さんと、その活動をサポートする鴛海さんの思いに迫っていく。
■不動産、西武ライオンズの球団職員、ITベンチャーでも
「野球ビジネスの発展と新たな野球の未来を創る」 鴛海さんはshake handsが掲げる企業の理念と目標をこう説明した。 鴛海さんは、大阪生まれの福岡育ち。修猷館高から慶応大に入学し、東京六大学リーグで2年春からベンチ入り。投手として通算9試合に登板し1勝。2004年秋季リーグでは優勝を経験した。 卒業後は不動産業界、埼玉西武ライオンズの球団職員、ITベンチャーなどで働いたのち、2019年にshake handsを設立。野球に関わる仕事に戻ったのは「仕事は毎日やるもの。どうせなら好きな野球を仕事にしたいと考えた」と振り返る。 その鴛海さんがビジネスパートナーに攝津さんを選んだのは、球界への恩返しとして少年指導に取り組み、自身が病気を経験したことをきっかけに病院の慰問を続けるなど社会貢献の姿勢に共感したから。攝津さんと二人三脚で、小学生を対象にしたプライベートレッスンやマンツーマン指導などを取り入れた今の時代にマッチした次世代育成の形を模索する。 ゼミ生は鴛海さんと攝津さんの野球振興に寄せる思いに触れ、課題として提示された①自分の班ならこの事業(子ども野球教室)をどんなものにするか②どうやったらこの事業のことを知ってもらえるかーについてグループワークで考えた。
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