プロの着こなし拝見! LEON編集長・石井 洋の秋冬コーデ【夜編】
二重プリントのギミックで視線をワシ掴み!
「ナイトアウトのシーンでは、堅苦しくないスタイルが良いでしょう。僕自身が夜遊びをしていた90年代の気分を自分なりに再構築したのがこのカジュアルスタイルです。適度にストリート風でありつつ、でもラフに走りすぎず大人のクオリティはしっかりキープ。そして自己主張だけでなく出会った人を楽しませるおもてなしの要素も盛り込みたい。そう言う意味でマックスシックスのシャツには非常に助けてもらってます(笑)」
一見、プレーンなドレス風のホワイトシャツ。ですが、実は胸の部分に「気になる」仕掛けが施されています。表地のほかに裏地が配されており、微妙にズラした二重のミッキープリントのため、身体の動きに合わせてアニメーションのような趣が楽しめるというもの。
ゴールドなアクセ&時計で大人の貫録をさり気なく
「BARなどで盛り上がってちょっとカーディガンを脱いだ時など、こういったギミックが酒のサカナになったりするものです。“どう? 動いてる?”なんてコミュニケーションも一興じゃないですか。特にミッキーなどは、古着やグッズを通して若い頃から馴染んできたもの。90年代ストリートスタイル同様に、自分のルーツにあるものだから、“着させられてる”感じでなく、一定のリアルを持ったスタイルに仕上がっていると思います」 ピンク色のカーディガンに白シャツという、上半身はやや軽さを感じさせるコーディネート。それ対し、パンツはブラックのレザーパンツで締めてみせる組み立ても実にエキスパート。まさにメリハリある装いが完成しているのです。
令和の大人ストリートは革パンもストレッチ
「レザーパンツというアイテムも、自分の中ではナインティーズな要素。当時はバンソンやショットなど履いていましたが、実際に今、ライダーズ風の革パンを穿くのは少々ヘビー。この一本はイタリア発、ジョルジオ ブラートのもの。レザーの存在感やタッチを持ちながら、穿き心地はジャージーライク。ミッキーアイテムも同様ですが、まんま当時モノではお洒落になりません。時代に則して、また年齢に応じてアップデートさせることが大切。でないとただの懐古オジサンになってしまいます(笑)」 この取材中も茶目っ気たっぷりに応じてくれた石井編集長。全身念入りの装いであるのに、肩肘張ったところをまったく感じさせないところが本当に秀逸。その手法は足元まで完全に貫かれていました。