【アメフト】「勝敗を決めるのはファンダメンタル」富士通・山本、パナソニック・荒木の両指揮官が一致 ライスボウル会見
アメリカンフットボールの日本一をかけて、来年1月3日に東京ドームで行われる第77回日本選手権・ライスボウルの記者発表会が、12月11日、東京都内で開かれた。国内最高峰の「X1スーパー」の上位8チームで行われたライスボウルトーナメントを勝ち上がったパナソニック インパルスと富士通 フロンティアーズの2チームが、3年連続で決勝のライスボウルで対戦することになった。 富士通からは山本洋HC(ヘッドコーチ)とLBの趙翔来主将が、パナソニックからは荒木延祥監督とLBの青根奨太主将が出席し、日本一へ向けて、決意と抱負を語った。
勝敗の分かれ目は3TD
勝敗の分かれ目について、チームとして2度目の3連覇がかかる富士通の山本HCは、「準決勝で戦ったオービック、そして今度のパナソニックを相手にすると、得点のチャンスは本当に少ない。そのチャンスを貰えた時に、準備してきたことを選手たちが、フィールドでいかにやり切れるかというところが重要。TDは2本か3本、プラスαくらいのゲームになると思っている。そういう展開のゲームで勝ち切れる準備はしていきたい」と語った。 パナソニックの荒木監督は「TD3本というのが、勝敗の1つの線だと思っている。3本取らないと勝てないと思っているし、3本取られたら勝てない。富士通のディフェンスは完成されている。3本を取るのは至難の業だし、あのオフェンスに3本取らせないのも至難の業。ただ、今の富士通の、この牙城を崩さないと日本のフットボールの進歩はない。何とか乗り越えたい」と話した。
荒木監督「一生懸命パイン飴を舐めています」
荒木監督は、2019年のジャパンXボウルも含めると、富士通にポストシーズンゲームで3連敗している。過去敗れてきた理由を「第4Q(クオーター)になると、お互い準備してきたことも出し切って、凄くベーシックな戦いになる。富士通は、RBトラショーン・ニクソンにボールをキャリーさせて、ランで押してくる。そうなると、結局は、基本となるプレーのレベルの高さ、一つ一つのプレーのファンダメンタルの質の高さで勝負が決まる。そういったものが、特に、この2年間、我々の方が劣っていた」と語り、この春から徹底した基礎力の強化に取り組んでいると答えた。 山本HCは、「一番大事にしなければいけないことは、(準決勝までと)何も変わらない。それを決勝に向けて、どれだけ高めていけるのか。ファンダメンタルとチームのスタンダードという自分たちが大事にしてきたことを、さらにこの3週間、選手たちに求め続ける」と話した。 そして「パナソニックとゲームをすると、必ずタフなゲームになる。ゲームの中でしんどい場面、劣勢に立たされた時、頼れるのは自分だ。荒木監督がおっしゃっていたように、最終的に勝負を決めるのは、良いゲームプランや準備してきたものだけではない。選手個々の、1対1の勝負があって、そこで勝ち切れるのか。そこが一番大事だと思っている」と話した。 他のスポーツでは、2023年はプロ野球(阪神、オリックス)、サッカーJ1(ヴィッセル神戸)と、関西のチームがリーグを制覇している。「そういう流れに乗りたいという気持ちはないか」と質問された荒木監督は「もちろんです。だから今、(阪神・岡田彰布監督を真似て)一生懸命パイン飴を舐めています」といって、笑いを誘った。