三菱マ、子会社検査データ不正最終報告(全文1)企業風土の抜本的な改革必須
「当社グループのガバナンス体制強化策の策定等について」に関しての説明
それでは次に、「当社グループのガバナンス体制強化策の策定等について」、に関してご説明申し上げます。弊社グループにおきましては、かねてよりCSR、コンプライアンス体制の構築に取り組んでまいりましたが、今後、同種の背景、原因に起因する問題の再発を防止する観点から、今回、品質問題が発生した子会社において抜本的な対策を実施することに加え、現在、明らかになっている課題を踏まえ、本強化策を策定いたしました。 まず、課題認識についてでございます。1点目はコミュニケーションに関するもので、本調査では縦割り組織の弊害や、子会社管理の不十分さについて指摘されております。このような課題に対応するため、弊社グループの各社内および各会社間のコミュニケーションの量や質を向上させる必要があります。 2点目はコンプライアンス体制と意識でございます。本調査では、一部の子会社においては各階層におけるコンプライアンス意識が十分でないことに加えて、必要な知識を習得していないこと、組織、事業体として果たすべき責任意識も希薄であること、さらには不適切な事案を発見し、改善に取り組み、かつ迅速な報告をする能力が不足しているといった指摘を受けております。従前よりコンプライアンス体制の整備や、コンプライアンス意識の醸成に取り組んでまいりましたが、教育の拡充等を通じ、意識改革を進める必要があると考えております。 3点目は資源配分についてであります。本調査では一部の事業において受注に対する工程能力や、検査・品質保証体制が不十分な状態にあることが指摘されております。また、その背景として、一部の子会社においては収益面の事情が優先されて必要な投資が先送りにされるなど、結果として資源配分が適切に実施されていなかったといった指摘を受けております。安全、品質、環境など、事業を長期的に、健全に運営していく上で必須となるガバナンス関係の施策につきましては、事業の短期的な損益の状況にかかわらず、確実に実施される仕組みや体制を構築する必要がございます。 これらの課題への対応策として、次のガバナンス体制強化策に取り組んでまいりたいと存じます。 【連載】三菱マテリアル、子会社検査データ不正の最終結果報告 全文2へ続く