茨城県内移住相談 最多4759件 体制強化で1.2倍増 境1054件、日立514件 23年度
2023年度の茨城県内への移住相談件数は前年度比1.2倍増の4759件に上り、3年連続で過去最多となったことが9日までに、総務省の調査で分かった。コロナ禍で高まった地方への移住機運に加え、5類移行後の関連イベント開催の増加や相談体制の拡充など、「情報収集がしやすくなった」(県担当者)ことが背景とみられる。 総務省は15年度以降、都道府県と市町村による移住相談などの受け付け件数を調査している。23年度は全国で同9%増の40万8435件に上り、このうち面談や電話、メールなどで受け付ける窓口に32万9776件、イベント時に7万8659件の相談があった。 県は東京都内に相談窓口「いばらき暮らしサポートセンター」を設け、各市町村もそれぞれ相談に応じる窓口を開設。23年度に県や各市町村への移住相談は窓口が4045件、移住関連イベント時が714件を受け付けた。 市町村別で相談件数が最も多かったのは境町の1054件。次いで日立市の514件、古河市の452件などだった。 相談件数は21年度以降、3年連続で過去最多を更新している。県は新型コロナウイルスの感染拡大で地方移住の機運が高まったほか、5類移行を踏まえた移住関連イベントの開催増加や市町村による相談体制の充実などが主な要因とみている。 県は24年度も移住促進に向けた取り組みを強めている。昨年9月には県内在住者と茨城県に関心がある人がインターネット上で交流できるコミュニティサイト「いばコミ!」を開設。各地域の催しなどの情報発信にも力を入れ、登録者は同12月末時点で約500人に上っている。 同6月には通信アプリ「LINE(ライン)」を活用し、移住希望者が県内移住者に気軽に相談できる体制も構築した。県内での暮らしの体験談や子育て環境、休日の過ごし方などの情報交換を促している。 県計画推進課によると、23年度に県や市町村窓口を通し県内へ移住したのは1780人。新型コロナの感染拡大がピークを迎えていた前年に比べ約15%減ったものの、「千人未満だったコロナ禍前の19年度と比べ高い水準」(同課)にあるという。 同課は「移住希望者が求めている情報をしっかり収集できる体制を整え、茨城県への移住者増につなげたい」と話している。
茨城新聞社