テスラだけではない! トランプ2.0で恩恵を受ける企業の「実名」を米国株のプロが伝授
ビットコインも急騰
通信業界や暗号資産業界に対する規制緩和の可能性もあります。 通信業界は「公平な競争促進」「消費者保護」「ネットワーク信頼性の維持」「インフラ発展」を目的に規制が設けられていますが、トランプ政権が誕生すれば、この分野の規制も緩和され、米国最大の通信会社である「AT&T」や、それに並ぶ大手電気通信事業者「ベライゾン・コミュニケーションズ」などが恩恵を受ける可能性があります。 暗号資産に関しては、現在の証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が批判的な姿勢を示しています。同氏は2026年までの任期ですが、トランプ政権誕生後には退任が予想されています。 これまで暗号資産企業に対して多くの訴訟が提起されてきましたが、トランプ政権のもとで規制が大幅に緩和されることで、こうした訴訟が取り下げられる可能性が高く、暗号資産市場にとっては追い風となるでしょう。 そんな連想もあり、選挙当日の11月5日に6万9000ドル台で取引されていたビットコインの価格は11日には8万8000ドルを超え、日本時間13日午前には一時、史上初めて9万ドル(約1390万円)の大台を突破しました。
来年末のS&P500は何ドルに?
「トランプトレード」で米国株は急速な上昇を見せていますが、企業業績については来年、再来年と2桁の成長が予想されています。しかも、それはトランプ氏当選前の予想値で、米国企業が実際に減税の恩恵を受けるのはこれからのことです。 短期的な上がり過ぎにより、目先の米国株の調整が起きたとしても、それも自然なことだと思います。来年から始まる二期目のトランプ政権の道のりはスムーズなものではなく、今の状況は嵐の前の静けさかもしれません。 ただ、トランプ政権の目的は、アメリカ経済をより強くすることです。トランプ氏が乱暴な政治手法をとったとしても、それは最終的に米国の利益のためになるはずです。 来年の株式相場は一直線であがるものではないものの、米国経済は堅調といった好ファンダメンタルズのサポートもあり、来年末のS&P500は7000ドルを目指す展開となると考えています。 *** この記事の前編では、トランプ勝利で米国株が急騰した理由や、前回政権時とは異なりGAFAMのCEOたちが競い合うようにトランプ氏に「祝電」を送った背景について、同じくマネックス証券の岡元兵八郎氏による解説をお伝えしている。 岡元兵八郎 マネックス証券の専門役員。専門である外国株のチーフ・外国株コンサルタントのほか、マネックス・ユニバーシティ投資教育機関のシニアフェローも務める。元Citigroup/米ソロモンブラザーズ証券のマネージング・ディレクター。外国株に30年以上携わるプロフェッショナルで、関わった海外の株式市場は世界54カ国を数える。海外訪問国は80カ国を超える。米国株はもちろんのこと、新興国の株式事情にも精通している。ニックネームは「ハッチ」。Xアカウント名 @heihachiro888 デイリー新潮編集部
新潮社