【誰かに話したくなる!クラシック音楽トリビア】曲中で使われる意外な楽器とは?
意外に知らないクラシック音楽の疑問に2人の専門家が回答。これさえ知れば、敷居の高さも払拭され、今すぐクラシック音楽を聴いてみたくなるはず! 今回は誰かに話したくなる楽器のトリビアを紹介。 【写真】ツウが選ぶ「クラシック音楽」MY BEST 3
Q ストラディヴァリウスやグァルネリウス、楽器は高ければ高いほどいいの?
A 「ストラディヴァリウスやグァルネリウスなどの、名器とされるバイオリンで使われている木材は環境の変化に伴い、現在の土壌では同じ木材を育てることが困難。その希少性の高さなどから、価格が高騰しているのです。ただし名器なら誰もが美しい音を奏でられるわけではなく、楽器を生かすも殺すも奏者次第。特に骨董的な価値がある楽器はこれまで手にしてきた奏者の魂が宿るので、そう簡単にはよい響きが得られないそうです」(飯田さん)
Q コンサートで注目すると面白い楽器は?
A 「バイオリンのコンサートマスターを見ると動きが大きく、曲の流れがわかりやすいと思います。私が個人的に見るのは、音楽で大切なベース音を担っているコントラバスです」(飯田さん) 「たとえばミニマリズムの原点であるラヴェル『ボレロ』なら、最初から最後まで同じリズムを刻み続けるスネアドラムを見るのも面白いと思います」(川崎さん)
Q クラシック音楽で使われている意外な楽器はありますか?
A 「有名なところではルロイ・アンダーソンの『タイプライター』の中で使われる、タイプライターがあります。彼は『サンドペーパー・バレエ』も作曲しており、その中ではやすりをこする音が入っています」(飯田さん) 「チャイコフスキー『1812年』の終盤で効果的に使われているのが大砲の音。またエリック・サティのバレエ音楽『パラード』にはサイレンやむち、ピストルの空砲も。耳をよく澄まして聞いてみると面白い音に気がつくはずです」(川崎さん)
●教えてくれたのは ・クラシック音楽ファシリテーター 飯田有抄さん 音楽専門誌や書籍、楽譜の執筆・翻訳、セミナー講師など幅広く活躍。「ららら♪クラシック」(NHK)に出演。 ・ディスクユニオン スタッフ 川崎 忍さん 「ディスクユニオン 新宿クラシック館」勤務。レコードやCDなど、日々、何万枚ものクラシック音楽を取り扱う。 イラスト/KOTOMI FUJIWARA 取材・原文/池田旭香 ※BAILA2024年10月号掲載