技術者派遣のサンテクノ ミャンマーにラーメン店出店 日本就労希望者実践教育の場に
技術者派遣などを手掛けるサンテクノ(本社名古屋市中村区千原町5の23、細江政司社長)は、ラーメン店「フジヤマ55」を運営する55style(本社名古屋市)とフランチャイズチェーン(FC)契約を締結し、ミャンマーにラーメン店を出店する。日本で就労を望む現地の人材をラーメン店で雇用し、実践的な教育が受けられるようにする。同社はミャンマーに人材教育施設を持つが、日本の文化、商習慣の違いなども学べる場を提供することで雇用のミスマッチを防ぐ。 早ければ年内に契約を締結し、来年には出店に向けた現地調査を開始する。店舗責任者には、日本で就労経験がある現地人材を配置する予定。店舗では従業員同士の会話は基本的に日本語とし、日頃から語学を学べるようにする。日本の紹介先企業の職場内訓練(OJT)の手間を減らせる、との期待もある。 サンテクノは、2019年に現地法人「サンテクノミャンマー」(ヤンゴン市)を設立。人材の育成と日本企業に紹介する事業を手掛けてきた。現地で運営する教育施設でミャンマーの若手人材に日本語や専門技術、日本生活で必要なマナーなどを教え、5年間で2千人以上の人材を輩出してきた。
ミャンマー国内では、政情への不安などから「約8割の若者が留学や就職などで国外に出る」(サンテクノミャンマー取締役のツヤチョ氏)という。そのうち、文化的背景や技術力の高さなどを理由に、約8割が日本への就学・就労希望している。日本での就労希望者は今後も増える見込みで、人材育成の必要性もより高まるとみている。 細江社長は「今回の取り組みで、より多くのミャンマー人が日本で働く機会を得られ、より早く日本での生活になじめるようになると大変期待している。日本企業の人材不足解消に寄与できれば」と話した。 雇用ミスマッチを防ぐ仕組み作りで、ミャンマーから日本への紹介先企業数を3年以内に現在の3倍以上にあたる50社に増やすことを目指す。 サンテクノの設立は1986年。従業員数は200人。23年12月期の売上高は約13億円。設計・開発業務を主とした技術者派遣や請負事業、自社製品開発、ミャンマー人技術者の紹介事業を手掛ける。