イタリアで待望の初戴冠! パリ五輪で激戦を演じた伊代表司令塔が同僚・石川祐希の“救世主”的活躍を大絶賛!「彼は偉大な一流選手だ」
しかし、そこからペルージャを奮起させたのは石川だった。素早い反応のディグや崩れた味方のレセプションをカバーして粘り、続けざまに相手のアタックミスを誘発する。攻撃でも追加点に貢献した後、再び絶妙な守備でセメニウクのアタックを演出。自らのレフト弾でセットポイントを呼び込み大差で第5セットへ持ち込んだ。ペルージャは、その流れを手放さずさらにギアアップ。5点リードで迎えた終盤、司令塔の主将・シモーネ・ジャンネッリから勝利への最終局面を託された背番号14は、豪快なバックアタック2発で応えてペルージャを大会3連覇へけん引し、イタリアで念願の自身初タイトルを手中に収めた。 新天地へ合流からわずか1か月の石川が、決勝でチーム最多の20得点(アタック17、エース1、ブロック2)を記録してMVPまでも受賞。イタリア代表でも主将を務めるジャンネッリは、試合直後に同国公営放送『Rai Sport』のインタビューで、石川に言及。「前日にOHオレフ(・プロツニスキー/ウクライナ代表)の故障が再発したこともあり、今日はあの布陣で戦い切らなければならなかった。断言できるのは、ユウキが偉大な一流選手だということ。これまで、日本代表やミラノ時代に幾度も対戦してきて、毎回、こっぴどく痛めつけられてきた。MBアグスティン(・ロセル)も同様だ。2人は最強の選手。チーム強化にとても有益な補強だ。それを実現してくれたクラブとロレンツェッティ監督の先見の明に感謝している。クラブがプレシーズン中のポーランドとイェージでの2大会へ参戦させてくれたことが大きかった。チームはプレッシャーの下、ハイレベルな戦いをこなす必要があったからだ。そこでの優勝を意識した戦いにより、チームは一歩前進できた」 そして、トレンティーノが優勝へ王手をかけて迎えた第4セットに石川が見せたパフォーマンスを、「ユウキは第4セットの重要な場面で彼が持つ高いテクニックを発揮した。まさにチームを起死回生へいざなったのはユウキ。素晴らしいアタックを決めたかと思えば、すぐさまパリ五輪で僕らが見た驚きの守備。彼のパフォーマンスが僕らにエネルギーを注ぎ込み、チームは機能していったんだ」と振り返り、ペルージャを崖っぷちから優勝へ導いた“救世主”と絶賛した。 プレシーズン大会と今大会の準決勝に続き、この日も決勝点を石川に任せたジャンネッリ。パリ五輪でネットを挟み激闘を演じたイタリアと日本の主将2人のタッグが巻き起こす化学反応が楽しみなシーズンとなりそうだ。 まずは一冠。“ユウキ・イシカワ”は果たしていくつの優勝カップを掲げることになるのか?期待に胸を膨らませながら今季イタリアでの活躍を見守りたい。 構成●THE DIGEST編集部
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