「プラダ」青山店でリジー・フィッチとライアン・トレカーティンの個展開催中 &TEAMも来場
「プラダ(PRADA)」は、プラダ財団の企画によりアーティストのリジー・フィッチ(Lizzie Fitch)とライアン・トレカーティン(Ryan Trecartin)の展覧会「LIZZIE FITCH / RYAN TRECARTIN: IT WAIVES BACK」展を1月13日まで青山店で開催中だ。開幕日前日の23日には、青山店で両アーティストを招いたトークセッションを行った。 【画像】「プラダ」青山店でリジー・フィッチとライアン・トレカーティンの個展開催中 &TEAMも来場
フィッチとトレカーティンは、ともに1981年生まれのアメリカ人アーティストデュオ。2000年から共同で活動する。現在は米オハイオ州を拠点とし、映像作品や没入型インスタレーションを通じて現代社会の人間関係、デジタル社会、アイデンティティー、消費主義といったテーマを探求する。
「LIZZIE FITCH / RYAN TRECARTIN: IT WAIVES BACK」展は、新作の大型インスタレーションと2本の映像作品、彫刻作品群で構成する。「領土」と「所有地」という概念、そしてその概念が個人のアイデンティティー形成に与える影響というテーマを核に据えた。今回の映像作品では、過去の作品を再編集し、新たな文脈に落とし込むことに挑戦。会場内には木造の劇場をモチーフにしたセットを組み、来場者はその中で作品を鑑賞する。彫刻作品は、オハイオ地域でよく見られる建設技術を活用して、墓跡や記念、ヤードサイン、公共のランドマーク的建物などに着想を得て製作した。
フィッチとトレカーティンはトークショー内で、「自分たちの過去の作品を振り返り、当時の意図やそれが今どんな意味を持つのかといった、時間的な距離感を意識しながら製作した。加えて、映像にはホラーやSF的な要素もあり、“IT WAIVES BACK”というフレーズが持つ不気味さも重ねられると思った。権利を放棄するという意味の“WAIVE”という単語は、波を意味する“wave”と音が似ていること。この展示が内包する世論の波、互いに影響し合う関係性などさまざまなメッセージに呼応している」と説明した。