万大醸造「伊豆のにごり酒」販売開始、ユネスコ登録受け「多くの人に」―伊豆市
伊豆市年川の万大醸造(佐藤智昭社長)の冬季限定活性清酒「伊豆のにごり酒」が完成し、県東部の酒販店などで販売が始まった。先ごろ日本酒を含む「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されることが決まり注目される中、伊豆半島唯一の酒蔵である同社関係者は「より多くの人に日本酒を飲んでほしい」と期待を寄せる。 杜氏(とうじ)の伊奈静夫さん(77)によると、同商品は加熱処理を一切しないため、酵母、酵素が生きたまま残る。芳醇(ほうじゅん)な味わいと発泡性が特徴の人気の酒。今シーズンは仕込み時期である11月の暑さで品質が心配されたものの、温度管理を徹底し、国産米の甘さと香りがしっかり感じられる例年以上の良い仕上がりになったという。 文化遺産登録を踏まえ、伊奈さんは「日本酒が世界から注目される機会はありがたい。これまで通り、昔ながらの丁寧な酒造りを続けていきたい」と胸を張った。さらに「若い人や外国人の皆さんにも日本酒の良さを知ってもらい、ぜひ飲んでほしい」と期待を寄せる。 県東部地区で限定1万本を販売する。酒店、スーパー、コンビニ(セブン―イレブン)などで扱っている。予約生産のため、蔵には在庫がない。 希望小売価格は一升瓶で税込み1870円。取扱店など詳しくは同社卸部〈電0558(72)1800〉へ。
伊豆新聞デジタル