唯一の欠点は「切れすぎること」注文殺到で “8年待ち”の和包丁 受け継がれる切れ味に迫る【福岡発】
父の跡継ぎ「刃物づくり」の道へ
平さんは「盛弘鍛治工場」の2代目。幼い頃から工場を立ち上げた父親の仕事を見て育った。「父親が刃物を作っている時に面白そうだな、早くやってみたいな」と感じていたという。高校卒業後は、刃物の産地として有名な大阪・堺市で3年間修行し、和包丁の研磨法を学んだ。その後は、試行錯誤を重ねながら10年かけて今の『盛弘の包丁』を完成させた。 自分のモノ作りについて「お客さんに喜んでいただける包丁を作ることに尽きる」と語る平さん。顧客から届くお礼のハガキや手紙を読むと、やりがいを感じると嬉しそうに微笑む。
3代目の目標は父親「壁は高い」
平さんの工場では今、次男の弘通さん(28)が3代目として包丁作りを学んでいる。「少しずつ上手くなっていくことに、やりがいや成長を感じている」と語る弘通さん。「目標は父親。壁は高いです」と父の背中を追う修行の日々だ。 そんな息子について父親の平さんは、「これだけの技術を私1人で終わらせるのは、勿体ない。それを受け継ぐ後継者ができたのは嬉しいと同時に安心」と笑顔を浮かべた。 2025年、新たな年を迎え平さんは、「これまで習得した技術を次世代に伝えていくことが使命」と気持ちを新たにする。目指すは「世界の盛弘」。生涯現役で包丁作りを続けたいと力強く語った。 (テレビ西日本)
テレビ西日本