【追記】NEC、Jクレジット発行の「MRV支援システム」構築へ。ブロックチェーンでデータ検証
NECがJクレジット発行支援システムにブロックチェーン活用
NECが、J-クレジット発行に関して、ブロックチェーン技術を採用した「MRV支援システム」を構築することを9月5日発表した。 同システムは、J-クレジット制度におけるクレジット発行の効率化と創出の拡大を目指し、測定(Measurement)、報告(Reporting)、検証(Verification)の各業務をサポートするものだ。 なおJ-クレジット制度は、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用、適切な森林管理によるCO2の排出削減や吸収を「クレジット」として国が認証する仕組みである。 同システムでは、IoT機器を用いてCO2排出削減量のデータを自動的に収集・蓄積し、ブロックチェーン技術を活用してデータの検証を行うという。 また環境省が運営するJ-クレジット登録簿システムと連携し、審査機関による検査報告の業務を効率化することで、申請手続きにかかる時間とコストを削減するとのこと。これにより、太陽光発電に関連するクレジットの発行効率化やクレジット創出の拡大を通じて、再生可能エネルギーの活用促進とCO2排出量の削減に貢献するとのことだ。 NECは、豊富な実績に基づくIoT技術やブロックチェーン技術などのデジタル技術を活用し、「太陽光発電設備の導入」に関する方法論に基づいたクレジット発行業務をデジタル化し、大幅な効率化を図るシステムを開発するとした。 なお「太陽光発電設備の導入」に関する方法論では、太陽光発電により従来使用している系統電力等の使用を代替することで、系統電力等から電力を得る場合に想定されるCO2排出量の削減を図るとのこと。J-クレジット制度では、排出削減や吸収に関する技術ごとに、適用範囲や排出削減・吸収量の計算方法、モニタリング方法が「方法論」として定められているとのことだ。 現在のJ-クレジット制度では、申請手続きに多くの時間とコストがかかることが課題となっており、特に人手の少ない中小企業や家庭では参加が難しい状況であるという。このため、申請手続きを効率化するためには、デジタル技術の活用が求められているとNECは説明している。 なお同システムを用いたサービスは、2025年4月から開始予定で、現在準備を進めているとのことだ。 また今回のNECの取り組みは、 環境省の「令和6年度J-クレジット制度におけるMRV支援システムの実装支援等委託業務」にて採択されたもの。NECは同事業のシステム構築事業者に選定されている。 「あたらしい経済」編集部は、NECに対し「MRV支援システム」で採用したブロックチェーン基盤について現在確認をとっている。NECより返答があり次第、この記事に追記をさせていただく予定だ。 以下2024.9.9 11:30追記 「あたらしい経済」編集部がNECへ「MRV支援システム」で採用したブロックチェーン基盤について確認をとったところ、エンタープライズ向けブロックチェーン基盤である「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャーファブリック)」が採用されているとのことだ。
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)