「恋人のスマホを勝手に見たらDV」「男がデートで奢るべき、は差別」新しい時代の常識3つ【トイアンナ】
2 恋人のスマホを勝手に見るのはDV
「恋人のスマホを見て浮気が発覚!」 これはかつて、お茶の間のドキュメンタリー番組や、雑誌に登場したよくあるシチュエーションだった。が、恋人のスマホを勝手に見ることが「DV」に当てはまることを知っているだろうか。DVには、殴る、蹴るといった暴力以外にも「無視する」「相手を管理、支配したがる行動」も含まれる。スマホは個人情報であり、それを勝手に見るのは恋人の通帳を見たり、クレジットカードをメモするのと同じだからこそ、DVに含まれるのだ。 その結果、浮気が見つかったとしよう。確かに浮気は責められる行為だが、こちらもDVをしたことになる。それを棚上げはできないだろう。しかも、恋人のスマホにあった「証拠」をSNSにアップする人も散見される。ここまでくると、個人情報の漏洩になる。 たとえ恋人から訴えられなくても、ネットに「私はDVを振るうのが大好きです!」と公開していることと同じである。今後は、過去のSNS投稿がきっかけにコンプライアンス意識を問われ、就職などで不利になるおそれすらあるだろう。 浮気が見つかったなら、淡々と弁護士に相談してほしい。これは、筆者からのお願いだ。
3 「イケメンと美女“だから”活躍の機会を与える」のはセクハラ
たとえば、こんなシチュエーションを想像してほしい。 「ミス◯◯に選ばれるほどの美しい女性が同僚にいた。彼女は、ある重要な取引先とのミーティングに同行した。ただ、彼女は異動したばかりで、プロジェクトの専門知識を持っていなかった。しかし、「せっかくこんなに美しい女性もいることですし」と、突然スピーチの機会を与えられた。それは上司から彼女への「配慮」だったが、むしろ彼女は素人発言で赤っ恥をかいた。そして、取引先との関係は悪化した。 これは、典型的な「慈悲的差別」である。慈悲的差別とは、立場が弱そうな方へ、本人に確認せず、先回りして不要な配慮や気遣いをする差別を指す。 たとえば、かつては女性社員へ「女性だからどうせ30代になると育児へ専念するだろう。あらかじめ残業が少ない、出世コース外のキャリアを歩ませてあげよう」という慈悲的差別が、以前はまかりとおっていた。今ならセクハラで一発退場となる案件である。 こういったわかりやすいケースは減ったものの、今でも「美女だから、話せば先方にとっても気分がいいだろう」とか「きれいな女性にとっても、上司から優遇されて嬉しいにちがいない」といった偏見にもとづいた慈悲的差別がまかり通ってしまうケースがある。 さきほどのミス◯◯の女性は、「いつもこういう待遇だから……」と半ばあきらめたようすだった。かつては実力で判断されたいと思っていたが、もう諦めてしまった。どうせ無駄だから……という声だった。 「では、大学の女子枠や、管理職の女性枠は?」 という声が聞こえてきそうだ。そう、これも実際には差別である。だが、いまは許容されている差別だ。なぜならば、女性が管理職となるだけで「上司と関係を持ったからだろう」などと言われる会社が、未だに大企業ですら存在しているからである。 また、電気・ガス・水道業では女性管理職の比率が4.1%しかない。日本に多い製造業でも8%だ。ここまで女性管理職がレアだと、女性にとっても意見を言いづらい環境が生まれる。慈悲的差別も生まれやすい。だからこそ、女子枠は現存する大きな女性差別を乗り越えるために、女子枠という別の差別で対抗する「蛇の道は蛇」といえる施策である。 女子枠を「差別ではない」と言ってしまうのはただの欺瞞だ。ただ、冒頭で述べた通り「何が差別か」は常にアップデートされる。将来、女性が当たり前に管理職となれる日が来た場合は女子枠が差別だと世間から認識され、消えていくだろう。
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