ブラックロック、モメンタム株に20億ドル投入-米株上昇は続くと確信
(ブルームバーグ): 世界最大の資産運用会社、米ブラックロックは米大統領選後の株式相場上昇に賭けている。選挙前まではリスクエクスポージャーを避けていた。
ブルームバーグがまとめたデータによると、130億ドル(約2兆円)規模の上場投資信託(ETF)「iシェアーズMSCI米国モメンタム・ファクターETF」(ティッカー:MTUM)には8日、19億ドル余りの資金が流入。2013年のファンド開始以来、1日当たりの流入額として最大を記録した。一方、325億ドル規模の「iシェアーズ・コア・トータル米ドル建て債券市場ETF」(同IUSB)からは記録的額の10億ドルが流出した。
ブラックロックの広報担当者は同社が先週、モデルポートフォリオの配分を調整したことを認めた。
MTUMへの資金流入は、抑え込まれていた企業活動が「コイルばね」のように解き放たれるにつれ、米国株が上昇し続けるとのブラックロックの確信を反映している。S&P500種株価指数は先週、週間ベースでは今年最大の上昇率を記録した。
選挙を巡る不透明感が解消されたことで、保留にされていた企業の資本配分に関する決定が再開されるとみられる。約1310億ドルの資産を運用する同社のモデルポートフォリオチームは、年末にかけて株式のオーバーウエートを3%から4%に引き上げる予定だ。
ブラックロックのターゲット・アロケーションETFモデルポートフォリオのリード・ポートフォリオマネジャー、マイケル・ゲイツ氏は「特定の選挙結果に関連した、セクターや業界への戦術的な賭けで針に糸を通すような難事を成し遂げようとするよりも、党派的な結果を超越するであろう広範なリリーフラリーにわれわれは備えている」と8日付の投資リポートに記述。「企業や投資家が再び足場を固め、先送りしていた戦略の実行を模索するにつれ、こうした市場価格に織り込まれている『不確実性のディスカウント』は解消されていくだろう」と続けた。