トランプ氏、つなぎ予算案で下院議長と対立-債務上限の議論要求
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は18日、短期の政府予算を手当てするつなぎ予算案に反対の考えを示し、自身の要求が盛り込まれていない法案を共和党議員が受け入れた場合は、次回の選挙での議員追放も辞さない構えを示した。これにより、今週末にも政府機関が閉鎖される可能性が高まった。
政府機関閉鎖を回避するための期限を20日に控える中、トランプ氏は連邦債務上限引き上げを同案に盛り込むよう議員らに求めた。これは財務省が新たに国債を発行して既存債務を返済することを認める措置だが、これまでにも政治的論争の火種となってきた。
トランプ氏はX(旧ツイッター)に投稿したバンス次期副大統領との共同声明で、「債務上限の引き上げは素晴らしいものではないが、バイデン大統領の任期中にそれをやる方がよい。民主党が今、債務上限で協力しないなら、来年6月にわれわれの政権下で協力すると誰が思うだろう。今すぐこの議論を始めよう」と論じた。
18日夜のソーシャルメディアへの投稿で同氏は、つなぎ予算案で債務上限の引き上げに賛成票を投じたくない共和党議員は「愚か」であり、次回議会選の予備選で刺客候補を擁立して議席から追い払うべきだと付け加えた。
バンス氏は18日夜、共和党のジョンソン下院議長のオフィスで約1時間会談。「生産的な会話ができた。いくつかの問題は解決できると思う。今後も引き続き取り組んでいく」と記者団に話した。
ジョンソン議長は、つなぎ予算案を可決させるのに十分な票を集めるため、民主党との合意をまとめたが、共和党内で同案反対の声が多く、議長留任に疑問の声も浮上している。マッカーシー前議長は予算案を巡り、共和党内の不満が原因で更迭された経緯がある。
ジョンソン議長は18日夜遅く、記者の質問に答えることなく議事堂を後にした。
下院共和党のスカリス院内総務は18日に記者団に対し、前日公表されたつなぎ予算案は廃案になったと述べた。