苫小牧港、アンモニアSC構築へ。6社で検討開始
北海道電力と北海道三井化学、IHI、丸紅、三井物産、苫小牧埠頭の6社は25日、北海道苫小牧港周辺でのアンモニアサプライチェーン(SC)構築に向けた共同検討を開始したと発表した。海外で製造したアンモニアの受け入れや貯蔵、供給拠点整備の検討や同地域を起点とした北日本広域圏でのアンモニア利活用先の拡大に向けた調査などに取り組む。 6社が拠点化を目指す苫小牧地域は、拠点形成に必要な設備などの設置が可能な広大な用地があり、将来的な需要の増加に対応する貯蔵タンクの増設も可能だという。 さらに日本海・太平洋側の両方にアクセス可能な航路が存在し、拠点周辺だけでなく、内航船などの活用で北日本の需要家へのアンモニア供給も期待されている。 今後、東港区の北海道電力の苫東厚真火力発電所の隣接地と、西港区の苫小牧埠頭のタンクを候補地として、拠点整備に向けた検討を進めていく方針。共同検討とともにアンモニア利活用先候補の釧路火力発電所、日本甜菜製糖、オエノンホールディングスともアンモニアSCについて協議を進めていくとしている。 アンモニアは、発電や産業分野での燃料・原料として利用され、脱炭素化への貢献が期待されている。肥料や工業用途での利用が進んでおり、水素の効率的な輸送・貯蔵手段としても注目されている。 苫小牧地域ではCCS(CO2〈二酸化炭素〉回収・貯留)事業や水素SC構築に関する取り組みも進行中で、水素やアンモニアなど供給拠点構築に向けた検討を進めている。
日本海事新聞社