遊歩道の“癒しの木々”は“悩みの種”でもあり…『文芸のこみち』の樹木伐採 大事故につながりかねない“きっかけ”があった「本当に寂しい」でも「本当に困る…」
■もともとは『東北本線の線路』として利用されていた この場所は、もともと東北本線の線路として利用されていました。線路は堤川の東側では、国道と並走するように走っていましたが、1968年に南側へ移され街の様子は大きく変わります。 線路の跡地は、堤川周辺と造道小学校東側のあわせて4.5キロを市が遊歩道として整備しました。その工事が行われたのは、1972年~84年にかけてです。木々は、いまでは大きく成長し、住宅と隣接した場所に植えられたものは枝が屋根に覆いかぶさるように伸びていました。 伐採エリアの隣の住民 「屋根に落ち葉が溜まる。夫が屋根に上って片づけていた。もう年だから危ない。本当に困る。伐ってほしい。来年でもいいですけど…」 ただ、地元の住民からは、こんな“本音”も漏れ聞こえてきます。 ■遊歩道の“癒しの木々”は“悩みの種”でもあり… 花園町会 小山内晴夫 町会長 「伐った方がいいという意見もあります。でも、近所に住んでいる人は伐りすぎたという人の方が多い。残し方があるのではないか…」 伐採は9月中に終わることになっていて、全体の9割近い94本を根元から伐り、剪定などをして残すのは16本だけの予定です。 その理由について市は、一定の高さを残して樹木を伐ったとしても、将来的には枝が伸びて同様の問題が起きるためとしています。こうした伐採は、樹木の状況を確認しながら2025年以降も継続する方針です。 青森市公園河川課 嶋守亮 課長 「(遊歩道の)延長が約4.5キロほどありますので、ある程度エリアを決めまして来年度以降も危険性が高いところから伐採していきたい」 道行く人に癒しを届ける木々は、同時にどう管理すべきかが問われる悩みの種。この2つに折り合いつけながら遊歩道を整備してほしいというのが、多くの住民の願いです。 文芸のこみちでは、サクラが咲くのを楽しみにしている人も多い一方で、サクラの木に虫が発生するというのもあり、「1週間の楽しみのために、1年間管理する手間を考えてほしい」という声もあったということです。維持管理には、地元住民の理解も欠かせません。その点も丁寧に、判断していくことが求められているのではないでしょうか?
青森テレビ