大沢駅(米沢)が事実上廃止へ JR東
JR東日本東北本部は31日、奥羽本線の大沢駅(米沢市)を、12月から年間を通して全列車を停車させないと明らかにした。再開の予定はないとし、事実上の廃止とみられる。 同社によると、同駅の1日当たり平均乗降者数は数十年にわたり数人だった。同社は10月まで住民説明会を3回開き、無期限休止の方向でおおむね了承が得られたという。同線福島(福島市)―米沢間では赤岩駅(同市)が2021年に利用低迷などで廃止された。 大沢駅は1906(明治39)年に開業。福島県との県境に近い山間部にあり、かつては列車が前後進を繰り返し上り下りする「スイッチバック」が行われた。「秘境駅」として知られているが、12月からは駅構内の立ち入りも禁止となる。 子どもの頃から同駅周辺で生活してきた無職後藤重明さん(74)は「周辺に住むのは今は5世帯約10人。以前はもっと多く、駅利用も多かった。近年は自家用車や乗り合いタクシーを利用し、駅を使う人はほぼいない」と理解を示しつつ、「少し寂しい」と話した。
同社はこのほか、同線の板谷(米沢市)と仙山線の面白山高原(山形市)の両駅は12月から来年3月ごろにかけて、雪による運休や遅延リスク低減のため、板谷は全て、面白山高原は一部列車を通過させると発表した。